【ゴルフフェア】コロナに負けない! 阪神大震災を乗り越えた住友ゴム工業の矜持

住友ゴム工業は例年と同規模のブースを展開

14日までパシフィコ横浜で開催中の「ジャパンゴルフフェア」は昨年、新型コロナウイルスの影響で中止となった。今年も出展を見送るメーカーや企業が相次ぎ、例年の半分程度の規模となっている。

無理もない。今年も間際で開催不可能となる可能性がゼロとは言い切れなかったからだ。そのため出展している企業もリスクを考慮し、例年よりブースの規模を縮小しているケースもある。

その中で「ウチは例年と同じ規模です」と胸を張るのは住友ゴム工業だ。「スリクソン」や「ゼクシオ」ブランドでおなじみの同社は「ゴルフ界にいい流れが来ている中で、出展しなかったり、せっかく来ていただいたお客様が規模を縮小してやっているのを見るのはどうなのか」との判断から、前回(2年前)と同規模のブースを設営した。

ゴルフメーカーは、昨年の最初の緊急事態宣言時こそ小売店が軒並み臨時休業となって大打撃を受けたが、その後は売り上げを回復させている。

また、広い屋外でのプレーは密になりにくい特性から、来場者が増えているコースもある。さらに「おじさんのスポーツ」とのイメージで敬遠しがちだった若い層のゴルファーも増えてきているなど、ゴルフ界を取り巻く状況は決して悪くはない。

それだけに入念な感染予防策を講じた上で、いい流れを切らさない雰囲気作りをした。中止になれば千万単位の準備が水の泡となるリスクもあったが、同社は1995年の阪神大震災の際、三宮(神戸市)にほど近い本社の隣にあった工場が損壊し、閉鎖に追い込まれるほどのダメージを受けながら、復活した経験を持つ。

この時は国内の他地域の工場に機能を移して生産を再開した。「災害にも負けない」。困難を乗り越え、全社員が一丸となって打ち勝つ! ブースにはそんな企業風土やゴルフメーカーとしての矜持が現れていた。

© 株式会社東京スポーツ新聞社