助っ人ゼロで開幕の球団も… コロナ禍で来日できていない12球団の外国人たちは?

阪神のロハスJr.、DeNAのソト、オースティン(左から)【写真:Getty Images、荒川祐史】

新型コロナウイルスの拡大で外国人の入国が制限され、球界にも影響が…

プロ野球界ではオープン戦が進み、3月26日にペナントレース開幕に向けて選手たちの調整が進んでいる。3月2日から始まったオープン戦も残り1週間となり、準備も総仕上げの段階となる。

ただ、今季は例年とは様相が違う。新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大で外国人の新規入国が制限され、各球団の助っ人たちにも大きな影響を与えている。新たに加入した新外国人たちの多くはまだ来日できていない。開幕まで2週間を切っており、仮にすぐに来日できたとしても、自宅待機期間が義務付けられており、開幕には間に合わない。

では、開幕を11日後に控えた現段階で、各球団の外国人たちの来日、合流状況はどうなっているのか。まとめてチェックしてみよう。(※は新加入)

合流したソフトバンクのアルフレド・デスパイネ【写真:福谷佑介】

ソフトバンクは主力のキューバ人選手3人が来日している

【パ・リーグ】
・ソフトバンク
○合流済み
カーター・スチュワートJr.投手、リバン・モイネロ投手、ジュリスベル・グラシアル内野手、アルフレド・デスパイネ外野手

○来日できず
ニック・マルティネス投手※、コリン・レイ投手※、デニス・サファテ投手、ウラディミール・バレンティン外野手

・ロッテ
○合流済み
フランク・ハーマン投手、ホセ・フローレス投手、ブランドン・レアード内野手、レオネス・マーティン外野手

○来日できず
アデイニー・エチェバリア内野手※

・西武
○合流済み
リード・ギャレット投手

○来日できず
ザック・ニール投手、マット・ダーモディ投手※、コーリー・スパンジェンバーグ内野手、エルネスト・メヒア内野手

・楽天
○合流済み
アラン・ブセニッツ投手、宋家豪投手

○来日できず
アダム・コンリー投手※、ブランドン・ディクソン内野手※、ルスネイ・カスティーヨ外野手※

・日本ハム
○合流済み
王柏融外野手

○来日できず
ドリュー・バーヘイゲン投手、ブライアン・ロドリゲス投手、ロビー・アーリン投手※、ロニー・ロドリゲス内野手※

・オリックス
○合流済み
タイラー・ヒギンス投手、スティーブン・モヤ外野手、アダム・ジョーンズ外野手

○来日できず
ブランドン・ディクソン投手、ステフェン・ロメロ外野手※

2年連続のリーグ優勝を狙うソフトバンクは主力のキューバ人選手3人がチームに合流済み。モイネロの調整が遅れているが、グラシアルとデスパイネは16日からオープン戦に出場する見込み。レイ、マルティネスの新助っ人、バレンティンはまだ来日できていない。ロッテは新助っ人のエチェバリアだけ来日できていないものの、レアードらほかの4選手は来日済みで影響は最小限か。

西武で来日しているのはギャレットの1人だけ。日本ハムも王柏融のみで、楽天はブセニッツと宋家豪の2人となっている。特に楽天は新助っ人が3人と多く、日本ハムは外国人に頼る部分が大きいだけに、共に難しいシーズン序盤を強いられることになるか。オリックスはヒギンス、モヤ、ジョーンズの3人がすでに来日し、オープン戦にも出場している。

オープン戦に登板した阪神のチェン・ウェイン【写真:福谷佑介】

阪神は12球団で最多の6選手が来日済み、対照的にDeNAは誰も来日しておらず

【セ・リーグ】
・巨人
○合流済み
ルビー・デラロサ投手、エンジェル・サンチェス投手、チアゴ・ビエイラ投手、ゼラス・ウィーラー内野手

○来日できず
CC・メルセデス投手、ジャスティン・スモーク内野手※、エスタミー・ウレーニャ内野手、エリック・テームズ外野手※

・阪神
○合流済み
チェン・ウェイン投手※、ジョン・エドワーズ投手、ジョー・ガンケル投手、ロベルト・スアレス投手、ジェフリー・マルテ内野手、ジェリー・サンズ外野手

○来日できず
ラウル・アルカンタラ投手※、メル・ロハスJr.内野手※

・中日
○合流済み
ジャリエル・ロドリゲス投手、ライデル・マルティネス投手、アリエル・マルティネス捕手、ダヤン・ビシエド内野手

○来日できず
ランディ・ロサリオ投手、マイク・ガーバー外野手

・DeNA
○合流済み
なし

○来日できず
フェルナンド・ロメロ投手※、マイケル・ピープルズ投手、エドウィン・エスコバー投手、ネフタリ・ソト内野手、タイラー・オースティン外野手

・広島
○合流済み
テイラー・スコット投手、ヘロニモ・フランスア投手、ケビン・クロン内野手※、アレハンドロ・メヒア内野手

○来日できず
カイル・バード投手※、ドビーダス・ネヴァラウスカス投手※

・ヤクルト
○合流済み
スコット・マクガフ投手、アルバート・スアレス投手

○来日できず
サイスニード投手※、リック・バンデンハーク投手※、ホセ・オスナ内野手※、ドミンゴ・サンタナ外野手※

セ・リーグで最も助っ人が合流しているのは、最多8人の助っ人を抱える阪神。新加入のチェン・ウェインを含む6選手が来日し、すでにオープン戦に出場している。新助っ人のアルカンタラ、ロハスJr.の来日は未定ながら、他球団と比べると、大きな影響はなさそうか。巨人もサンチェスら4人が来日済み。補強の目玉だったスモーク、テームズが来日できていないのが痛いが、そこは現有戦力で穴埋めできるか。

12球団で最も影響を受けているのがDeNA。新加入のロメロをはじめ、5人の助っ人全員がまだ来日できていない。主砲のソト、オースティンも不在のまま開幕を迎えなければならず、三浦大輔新監督は厳しい戦いを余儀なくされそうだ。中日は新助っ人のロサリオ、ガーバーは不在ながら、ライデル&アリエルの“Wマルティネス”やビシエドといった主力は来日している。

広島は新助っ人のクロンが合流し、オープン戦に出場。4選手が来日している。ヤクルトは新加入の助っ人4人全員がまだ来日できていない。マクガフ、スアレスの2人は合流しているが、戦力層を考えると、厳しい現状にあるか。

支配下登録された75人の外国人選手の中で、まだ来日できていない選手は半数近い36選手にも上る。新加入選手で来日、合流できているのは阪神のチェンと広島のクロンの2人だけ。この外国人たちの動向がペナントレースの行方にどう影響するだろうか。(Full-Count編集部)

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