イメージと正反対? 新任・桑田コーチが原巨人にすんなり溶け込めた理由

巨人・桑田コーチの「堅物」イメージは偽り?

今季からチームに電撃入閣した巨人の桑田真澄投手チーフコーチ補佐(52)の知られざる素顔が明らかになった。球界きっての「理論派」として名を馳せる同コーチなだけに「真面目」「お堅い」とのイメージが先行しがち。だが、実際はそんな〝堅物像〟とはかけ離れた一面を持ち合わせていた。果たしてその内容とは――。

春季キャンプからチームに合流した桑田コーチは、ここまで精力的に指導。投球後にマウンド上に残る足跡からその日のコンディションをチェックする方法や、短い間隔の中で連続して10球を投じて制球力を高めるインターバル投球など〝桑田式練習法〟をあますことなく投手陣に伝え、現在では多くの選手の間で習慣化されている。

選手とのコミュニケーションも綿密に行った。「まずは選手を知りたい」とキャンプ中は毎日、投手陣ひとり一人と会話。気になった点はすべてメモ帳に書き残し、選手個々の理解に努めた。オープン戦が始まってからはベンチへと入り、イニング間には投手や捕手と積極的に対話。今ではすっかりチームになじんでいる。

そんな桑田コーチだが「チームに溶け込めた理由」が垣間見えた意外な出来事がある。それは宮崎キャンプ中、松林で行われたランニング中に起きた。選手たちが走り終えるのを待つ間、現場に居合わせた数人の若手記者を相手に即席の取材タイムを用意。そこでは予想外なトークが展開された。「君たちはまだ若いから、走ったりするのは〝代謝〟が悪くなってからで大丈夫だよ。でも、その前に〝退社〟しないようにね」。まさかの親父ギャグに記者も一瞬固まったものの、これをきっかけにリラックスした雰囲気が流れることとなった。

球界きっての「理論派」と称されるだけに「お堅い」イメージが先行してしまう桑田コーチだが、ふたを開けてみれば素顔はギャグが大好きなひょうきんなキャラクター。そんな素顔に対して、チーム内の若手投手からも「冗談も言う方。想像していたような堅苦しさはないですし、話しやすい方ですね」と好評だ。

先輩である宮本投手チーフコーチも巧みなトーク力で知られているが、それに負けず劣らずの「ギャグセンス」を披露した桑田コーチ。今季のベンチは昨季以上に明るい雰囲気となりそうだ。

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