小川慶太さんグラミー賞 「良いニュースで古里へ恩返し」

ジャズバンド「スナーキー・パピー」でグラミー賞の最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム賞を再び受賞した小川さん=2017年、佐世保市内

 「良いニュースを届けていくことで古里へ恩返ししたい」-。14日、発表・授賞式があった「第63回グラミー賞」で、米国の人気ジャズバンド「スナーキー・パピー」の作品が最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム賞に選ばれた。バンドに参加する長崎県佐世保市出身のドラマー、パーカッショニスト小川慶太さん(38)=米ニューヨーク在住=が15日、電話取材に受賞の喜びや古里への思いを語った。
 小川さんは授賞式をネットの生配信で家族と視聴し、受賞を知った。2017年にも同バンドのメンバーとして同アルバム賞に輝いたが、「今回、自信があったわけではなく、どのアーティストが受賞しても不思議ではなかった」と話す。
 15歳から本格的にドラムを始め、県立佐世保北高卒業後、甲陽音楽学院(神戸市)でドラムとパーカッションを学んだ。アーティストのバックバンドなどを経て05年に渡米し、バークリー音楽院へ入学。世界的ミュージシャンとセッションを重ね、09年ごろ、スナーキー・パピーに加わった。
 音楽的基盤は高校時代に築かれた。放課後は毎日のように地元のライブ喫茶に通い、演奏技術を学んだ。当時、ドラムを指導してくれた佐世保市の小田隆さんに向け「いつも遠くから応援してもらっている。感謝の気持ちでいっぱい」と話す。
 今回の受賞作は高い熱量のライブアルバム。「新型コロナ禍の中でこの作品が賞を受けたのは意義深い」と話す。なぜならこの1年、コンサートができない状況を経験し「観客の前で演奏することの特別さに気付いた」から。今後の目標は「長く演奏活動をしていくこと」。まだコロナ禍がどういう状況になるか分からないが、「一つ一つの演奏を大事にしていきたい」と力を込めた。


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