19日開幕 選抜高校野球 長崎の高校3年生が司会

「楽しんだもん勝ちと思ってやる」と笑顔を見せる寳藏寺さん=諫早市、長崎日大高(左) 「一人一人へ思いを乗せて届けたい」と意気込む山口さん=大村市、大村高(右)

 19日に開幕する第93回選抜高校野球大会(甲子園)。九州王者として挑む大崎高に加え、長崎県からは2人の高校3年生も“出場”する。司会を開会式で務める長崎日大高の寳藏寺(ほうぞうじ)花映さん(18)と閉会式で務める大村高の山口雄大さん(18)。既に卒業式を終えた2人は、舞い込んできた高校生活集大成となる舞台を楽しみに待つ。
 2019年のNHK杯全国高校放送コンテストで寳藏寺さんは朗読部門準優勝、山口さんはアナウンス部門優秀賞に輝いた。県高野連によると、県内の高校生が開閉会式ともに司会を任されるのは初めて。この1年間は同コンテスト中止をはじめ、運動部と同様に活動が制限されただけに、2人は「いろんな人の悔しい気持ちも背負いたい」と責任感を口にする。
 寳藏寺さんは放送部のほかに演劇部で演者から裏方まで幅広く活躍。本来ならば、中止になった92回大会の閉会式で司会をする予定だった。開会式にスライド起用される今回は「まず感謝を伝えたい」と強調。緊張もあるが「伝えたいということに気持ちのベクトルを向けて、楽しんだもん勝ちと思ってやる。とりあえず深呼吸していきたい」と笑顔を見せる。
 山口さんは中学時代、深夜ラジオに聞き入って高校で放送部へ。1年時に出場した全国大会の優勝者が甲子園でマイクに向かう姿に憧れ、自らも数々の賞をつかんでそれを現実にした。やりがいは「音声だけで想像力が広がる」こと。今回が自身最後の放送だといい「同年代がしのぎを削る熱い場面に参加できて光栄。主役の選手に花を添えたい」と力を込める。
 ともに甲子園に入るのは初めて。コロナ禍で例年より観客は少ないが、2年ぶりの春舞台の価値は例年以上に大きい。動画サイトで予習したという寳藏寺さんは「スピーカーの音が遅れて聞こえる感じで独特の間や空気がある。臨機応変に伝えたい」、山口さんは「一人一人へ思いを乗せて届ける。祖父が高校野球ファン。喜んでもらえたら」と意気込んでいる。


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