「戦メリ」ポスター窃盗犯は展示会情報を事前に入手した人物か

「戦場のメリークリスマス」公開会見に出席した故大島渚監督

伝説的作品の〝1点モノ〟が消えた――。

東京・新宿の映画館「新宿武蔵野館」のロビーで開催中の故大島渚監督(享年80)のポスター展で、15日早朝、同監督の代表作「戦場のメリークリスマス」の英語表記の海外版ポスターが盗まれたことが明らかになった。配給会社「アンプラグド」が16日に展示会公式ツイッターなどで発表した。

同監督の作品は2023年に国立機関に収蔵予定となっており、4月16日から「戦場のメリークリスマス 4K修復版」が、収蔵前最後として全国で公開される。これに伴う展示会だったが、事件を受け中止となった。

盗難されたポスターは、器具がないと取り外しができないケースに入っていたが、そのケースのねじが外されていたという。15日早朝に劇場スタッフがポスターの盗難に気づいた。

ポスターはニュージーランドでの公開当時のものとみられ、大島渚プロダクションが所有しており、今回のために特別に貸し出されたものだった。

公式ツイッターは「3月15日、新宿武蔵野館でポスターを盗んだ方へ。盗難届けも提出予定&監視カメラ確認中ではありますが、早々に無事現物を劇場もしくは弊社までそっとお戻し頂けましたら対応また検討致します」「どうかご返却下さい。心からのお願いです」とツイート。

ポスターは、映画での描写を用いた1点モノ。オークションサイトなどで転売される可能性もあるため、配給会社は情報提供を呼びかけている。

事件を受けて、大島渚プロダクション代表の大島新氏は「現物の1点しかなく替えがきかないものなのです。出来心だとしたらそっと返してほしいと思っています」とコメント。映画関係者は「展示会の開催情報を事前に入手した人物の犯行では?」と話している。

© 株式会社東京スポーツ新聞社