マクニカ、クラウド型介護用見守りサービス「AttentiveConnect」とオムロン ヘルスケアの通信機能付き血圧計の連携を発表

介護施設では居住者の血圧を毎日測定することが義務化されているが、データの記録作業は、介護記録システムを導入している施設においても一旦紙にメモ書きされ、居住者全員の計測が完了した後、事務所でシステムに手動で入力されるケースがほとんどで、転記ミスや業務効率の悪さが課題となっている。半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI/IoTにおけるトータルサービス/ソリューション・プロバイダーの株式会社マクニカは、介護用バイタルデータ記録のデジタル化に向け、まず、オムロン ヘルスケア株式会社の通信機能付き上腕式血圧計で測定した血圧データを、マクニカが開発・提供する見守りサービス「AttentiveConnect(以下、AC)」にBluetooth経由で自動取得する機能を追加することを発表した。同社はこの取り組みにより、記録作業をスマホ、またはタブレット上のタップ操作で行うことで転記ミスを防ぎ、業務効率を改善していく。記録の効率化だけでなく、既にACと共に提供しているEarlySense社(※)のベッドセンサーで取得した、心拍、呼吸、睡眠の質データに、血圧データを追加することで、以下のことが可能になる。

  • 施設居住者に提供している健康状態のAI解析・アドバイスの質を高める
  • ケアサービスの効果測定も、客観的かつ自動化する
  • 介護施設におけるケアプラン作成の基礎データを、直近のデータだけではなく、任意の指定期間の推移として取得する
  • データはグラフ、数値表示、Excel出力ができ、他のシステムからAPI経由で取得する

マクニカでは、医療ヘルスケア機器専業メーカのバイタルセンサーを順次サポートする予定で、直近ではオムロンヘルスケアの体重体組成計などのデータ自動取得を追加予定だ。Bluetooth通信機能を装備したヘルスケア機器は続々登場しているが、提供されるスマホアプリは個人ユーザーが対象で、介護施設の様なグループユーザー向きではない。マクニカのヘルスケア事業統括責任者である宇山繁は、「当社のソリューションは介護施設向け見守りソリューションとしてサービスを開始したが、今回オムロンヘルスケアの血圧計と連携することで、施設居住者の健康管理のDXを直接促進する役割の一端を担うことができると期待している。今後、ACで入浴、食事、服薬等の記録なども各居住者を介助しながら簡単に入力できる機能を追加し、昼夜を問わず24時間の活動を記録できるサービスにしていきたい」と述べている。また、コロナ感染で体調急変予測の基礎データの一つして注目されている血中酸素計など、通信機能付きでリモートデータ取得を可能にする医療ヘルスケア機器のサポートも検討している。マクニカでは、ACとオムロン ヘルスケア上腕式血圧計との連携により、血圧測定業務のデジタル化の効果を広く体験してもらうことを目的に、本年12月までACの新規利用者が無償で機器を導入できるプログラムを用意している。※EarlySense社(アーリーセンス社)は2004年にイスラエルで創業し、北米を含む海外で多くの採用実績を持つ、非接触の医療用ベッドセンサーメーカー。累計2,000万時間以上のデータに基づくセンシング技術を用いて、医療機関向けの製品ではベッドからの転倒/転落リスクの予知、慢性疾患の急変などの早期検出に取り組んでいる。

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