ソフトバンク・武田 完全復活へ人生2度目の“吉兆”

力投する武田。今年はやってくれそうだ

逆襲へ自信は深まっている。開幕ローテ入りが確定しているソフトバンク・武田翔太投手(27)が17日のDeNA戦(ペイペイ)に先発。5四球と制球に苦しんだが「悪い中でどうしのぐかも勉強」と辛抱強い投球で、オープン戦最終登板を6回3安打1失点にまとめた。

高卒1年目にいきなり8勝を挙げ、その後も2年連続2桁勝利と順風満帆な成長曲線を描いた。だが、2017年以降は故障の影響などもあり低迷。昨季はわずか2勝とキャリアが暗転した。強い危機感を持って臨んでいる今季はここまで対外試合に4度登板し、計18回を投げて1失点。完全復活を期待する周囲の声が日増しに大きくなっている。

この春、実は武田の体に「人生2度目」という“吉兆”が出現していた。キャンプ中の2月11日のブルペンだった。72球目を投げ終えたところで急きょ投球をストップ。本来は100球以上を投げるつもりだったが、右手親指内側の第1関節付近にできたマメが潰れたため見合わせた。これに武田は「親指にマメができるのは、プロで初めて2桁勝った2015年以来。指のかかりにいい感覚があった。いい兆候だと思いました」。

この時、ボールを握った感覚は親指の腹で「持つ」「つかむ」という感覚よりも「乗せている」というもの。程よく力が抜けている証拠だった。今季のテーマは脱力投法で、成果を確信する瞬間でもあったようだ。

マメが吉兆だったことは快投続く今春の実戦結果が証明している。自己最多は16年の14勝。潜在能力の高さは誰もが認めるところで、完全復活を期待してもよさそうだ。

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