現代美術家・深堀さん講演 「金魚絵」への思い語る 講演会の様子をココウォークで上映予定 3月27日から

若者に金魚への思いを語る深堀さん(左)=長崎市、みらい長崎ココウォーク5階TSUTAYA

 水の中を泳いでいるかのようにリアルで立体的な金魚を描く現代美術家、深堀隆介さん(48)=神奈川県在住=が12日、長崎市茂里町のみらい長崎ココウォークで、県内の高校生や大学生ら若者20人を前に講演し、金魚や作品への思いなどを語った。
 同市出島町の県美術館で個展「深堀隆介展『金魚鉢、地球鉢』」(長崎新聞社、県美術館主催、西日本シティ銀行・長崎銀行特別協賛)が開催中。酒升や茶わんなど器の中に、透明樹脂を何層も重ねながら立体的に仕上げた金魚作品など計約300点を展示している。4月18日まで。
 12日は、美術に関心のある若者を対象に、ココウォークが開催。深堀さんはスライドを使って作品を解説。「自身の中で金魚の姿が“見えた”器に描いている」と語った。新型コロナウイルス禍で苦しむ人間を、病原菌の混ざった水の中にいる金魚のイメージに重ね、「金魚が長生きするには常に水替えが必要。コロナは地球が汚れているというメッセージ」と強調した。
 「金魚はどういう存在か」という参加者の質問に「私を含め人々を写し出す鏡のようなもの。だからこそ飽きずに作り続けることができる」と回答。「長崎をテーマにした金魚作品も手掛けてみたい」と抱負を語った。
 講演会の様子の一部は、ココウォーク5階TSUTAYAイベントスペースで27日~4月18日に上映する予定。

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