【体操】逝去した64年東京五輪銅メダル小野清子さんへ 遠藤幸一氏「五輪成功を見届けてもらいたい」

小野清子さん

1964年東京五輪の体操女子団体総合銅メダリストで引退後に参院議員を務めた小野清子さん(享年85)の逝去を受け、同五輪男子体操金メダル遠藤幸雄さん(享年72)の息子で日本体操協会の常務理事を務める遠藤幸一氏(59)が生前の思い出を語った。

小野さんは今月13日に死去。父・幸雄さんとは同郷(秋田県秋田市)で中学と大学(東京教育大=現筑波大)が一緒だった。「父は中学ではバレーボール部でした。突き指して練習できなかった時、廊下からカッコ良く跳びはねている体操部の姿を見て体操をやろうって決めたようです」(遠藤氏)。その体操部員の一人が小野さんだった。

今年の正月には年賀状で元気な姿を報告してきたというが、骨折で入院中に新型コロナウイルスに感染。治療を受けていたが、容体が急変して帰らぬ人となった。

小野さんの夫・喬さん(89)は64年東京五輪で幸雄さんと共に体操ニッポンを金メダルに導いた。「鬼に鉄棒、小野に鉄棒」と言われた伝説の男だ。幸一氏は直接的な交流はなかったものの、父を通して体操界のレジェンドたちの「絆」を感じていたという。

「そういう方が一人減るのは僕にとっても残念。ただ、父もそうですけど、ベラ・チャスラフスカ(享年74=チェコ、東京五輪金メダル)とか、たぶん上(天国)の方で楽しくやっているんじゃないでしょうか」

くしくも聖火リレーがスタートする25日は幸雄さんの十三回忌の命日。

「ぜひ東京五輪を成功させて、見届けてもらいたいです」

天に召された小野さん、そして父へ、万感の思いを短い言葉で届けた。

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