2年ぶりセンバツ開幕 コロナ禍制限の開会式で仙台育英主将が選手宣誓「甲子園で野球ができることに感動」

選手宣誓をする仙台育英・島貫丞主将

第93回選抜高校野球大会は19日、甲子園球場で開幕した。新型コロナウイルス感染拡大のため昨年は開催中止。2年ぶりとなるセンバツの開会式には感染防止のため、第1日に登場する6校の選手のみが参加した。右翼からの入場は行わず外野に1校2列に整列し、1校ずつマウンド方向へ行進。他の26校は同球場の大型スクリーンで事前に撮影した行進映像を順番に流した。

選手宣誓は福島県出身の仙台育英・島貫丞主将(3年)が行った。マイクの前に立つと「宣誓。今日ここに高校球児の憧れの舞台である甲子園が帰って来ました。この1年、日本や世界中に多くの困難があり、それぞれが大切な多くのものを失いました。答えのない悲しみを受け入れることは苦しくて辛いことでした。しかし同時に多くのことを学びました。当たり前だと思える日常は誰かの努力や協力で成り立っているということです。感謝、ありがとうございます。これは出場校全ての選手、全国の高校球児の思いです。感動、喜びを分かち合える仲間とともに甲子園で野球ができることに感動しています。希望、失った過去を未来に求めて希望を語り、実現する世の中に」と力強い言葉を口にした。

その後も続けて「そして、この3月で東日本大震災から10年となりました。日本、世界中に多くの協力や支援をいただき、仲間に支えられながら困難を乗り越え、10年前、あの日見た光景から想像できないほどの希望の未来に復興が進んでいます。これからの10年、私たちが新しい日本の力になれるよう歩み続けます。春はセンバツから。穏やかで鮮やかな春。そして1年となりますように。2年分の甲子園。一投一打に多くの思いを込めてプレーすることを誓います」と述べ、大役を務めあげるとスタンドから大きな拍手が沸き起こった。

今大会は観客も1万人に制限し、大声を出しての応援は自粛が求められている。アルプス席ではチアリーダーなどによる応援は可能だが、ブラスバンドの演奏は禁止。出場校は自校などが録音した吹奏楽部の音源を使って応援曲を流す。ベンチ内の選手、監督、関係者にはマスク着用が義務付けられるなど2年ぶりのセンバツは感染対策を徹底して行われる。

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