女優・伊藤かずえさんが30年乗り続けたシーマ、日産がレストア実施へ! 粋な計らいに「孫の世代まで受け継ぎたい」

日産は2021年3月17日(水)、女優の伊藤かずえさんが30年以上に渡り乗り続ける「日産 シーマ」を預かり、レストア(新車同様に修復)することを発表した。レストアは日産有志の手により4月から半年の予定で実施。その間伊藤さんには、日産から現行モデルの代車が貸与される。

女優・伊藤かずえさんと愛車の日産 シーマ[FPY31型・初代] [写真提供:日産自動車]

日産 シーマってどんなクルマ!?

シーマはシーマでも「セドリックシーマ」です!

伊藤かずえさんが所有する日産 シーマは、FPY31型の初代シーマ。ちなみに正確には「セドリックシーマ」で、当時の日産モーター店で購入したモデルということがわかる。

FPY31型初代 日産 シーマ

初代シーマ(セドリックシーマ/グロリアシーマ)は1988(昭和63)年、前年にフルモデルチェンジを実施した高級セダン「セドリック」(Y31型・7代目)及び兄弟車「グロリア」(Y31型・8代目)の上級バージョンとして誕生した。

ただしボディは車幅や全長を延伸し、全面的に異なるデザインに刷新。エンジンもV6 3リッターの大排気量のみで、上位グレードはターボチャージャー付の高出力なタイプが積まれるなど、全てにおいて贅沢な造りの3ナンバー専用モデルとなった。

折しもバブル期真っ只中。高級車ながらヒット作となり、好景気を象徴するクルマとして「シーマ現象」という流行語が誕生したほど。このように初代シーマは、日産車の歴史の中に燦然と輝く名車なのである。

購入後30年以上が経過し、走行距離は26万キロオーバーに

伊藤かずえさんは日産 シーマを1990(平成2)年に新車で購入し、以来30年に渡り保有し続けてきた。走行距離は26万キロオーバー。ハイオク指定のうえ、現在の平均燃費は4~5km/L(伊藤かずえさんの公式ブログより)というから、維持し続けるのもなかなか苦労が多そうだ。

以前より話題を呼んでいたこのシーマは、伊藤かずえさんのSNSにも度々紹介されている。

2020年2月には、18歳になる娘さんがいち早く免許を取得。以来、親子2代でシーマに乗るシーンなども度々登場している。今やネオクラシックカーの領域に突入する初代シーマに、初心者マークがちょこんと貼られているのが微笑ましい。

また古いクルマということもあってか、まめに定期点検の入庫を日産ディーラーで実施していることも伝えられている。2020年10月には、1年点検を出した日産ディーラーから花が贈られ、シーマ購入30周年を祝うシーンもアップ。長期に渡り、販売店との良好な関係が維持されていることが垣間見られる。

いっぽうで、お父さん(実は元・日産のディーラーマンだった)と共に自家塗装で塗り直したり、へたったシートの上から古いジーンズを再生した手作りのカバーをかけたりと、自身でも手入れを楽しんでいる様子も公開されている。

「伊藤さんのシーマをレストアしてあげて!」の声に日産本社も遂に動いた!

“技術の日産”の名に懸けて総力をあげる

伊藤かずえさんとシーマの良好な関係はSNSやメディアなどでもたびたび話題を呼び、「日産はレストアを検討して!」との声も、日産本社へと届くようになった。

長年に渡りシーマを大事に乗り続けてきた伊藤さんに対し、日産自動車も動いた。感謝の意を表明するとともに、車両を一時預かり、レストアを実施することを正式に発表した。

日産自動車の日本事業広報渉外部 部長の遠藤 和志さんは『30年以上お乗りいただいた車両を、伊藤さんが期待する“新車時と同じ状態”に戻すレストアは非常に難しい作業となりますが、「技術の日産」に恥じぬよう、総力をあげて、伊藤さんにご満足いただける仕上がりにしたいと思います。』とコメントした。

孫の世代まで受け継ぎたいと語る伊藤かずえさん

女優・伊藤かずえさん

伊藤かずえさんも今回の発表に際し『父と塗りなおした塗装やへたってしまったシートなど思い出が詰まっているけれどもきれいにしたい部分がどうなるのか楽しみです。』とコメント。さらに『レストア中も見学できるという事なので、毎日のように作業の様子を見に行ってしまうかもしれません。』と、シーマ愛を語っている。

また伊藤かずえさんの公式ブログでもシーマレストアの件に触れ『この先、免許返納後も、娘も乗り継ぎ、できれば孫の世代まで受け継いで行きたいです。』(「Kazue Diary」2021年3月17日 )と、喜びと期待の声を寄せていた。

レストアのための入庫は4月の予定

日産では2021年4月にシーマを正式に入庫。日産自動車有志の手により、およそ半年の計画でレストアを実施していく。その間伊藤さんには、日産の現行モデルの中から代車を貸与し“今の日産”も楽しんでもらう予定となっている。果たしてどの最新モデルを選ぶのかも、興味津々だ。

我々MOTA(モータ)も伊藤さんのシーマのその後を追っていく予定だから、続報も楽しみにしていて欲しい!

[まとめ:MOTA編集部]

© 株式会社MOTA