「城泊」開始へ 平戸城懐柔櫓を公開 外国人富裕層などをターゲットに

江戸時代の日本の美を意識した落ち着いた内装。1階リビングダイニングには畳のスペース(右奥)も=平戸城懐柔櫓

 平戸市が進めてきた、平戸城懐柔櫓(やぐら)(岩の上町)の宿泊施設への改修工事がほぼ終了。4月1日の「城泊」事業開始に向け、18日までに内部を報道関係者に公開した。外国人富裕層などの利用を想定し、壁画、照明など江戸時代の日本の美を意識した落ち着いた内装に仕上げた。宿泊は1日1組最大5人まで。料金は宿泊のみで最大60万円で設定。
 施設運営は古民家のリノベーションなどを手掛ける企業など、3社が設立した運営会社「狼煙(のろし)」(平戸市、鞍掛斉也社長)が担う。
 櫓は鉄筋コンクリート一部2階建て。延べ床面積は約120平方メートル。1階はリビングダイニング(約50平方メートル)で一部に畳スペースを設けた。この他、平戸大橋などを望むガラス張りの浴室などを設置。2階は2台のベッドを配置した寝室。食事は城内に新設したキッチンで運営会社が用意し、櫓内のキッチンで仕上げて提供する。
 同市は2018年から、城の大規模改修事業の一環として、櫓の改修などを進めてきた。市観光課は「事業計画発表後、国内外から多数の問い合わせがあった。期待に応えられるよう運営会社と緊密に連携したい」とアピールした。


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