【センバツ】52年ぶり出場の宮崎商「顔に当ててでも…」4失策響き敗戦

52年ぶり選抜出場を果たした宮崎商

宮崎商(宮崎)は「第93回選抜高校野球大会」(甲子園)2日目の20日、第1試合で名門・天理(奈良)に1―7で敗れた。

1964年夏4強の実績を誇る県立校も、春は実に52年ぶり。人数制限のあるアルプスには12時間かけてやってきた応援団の姿もあった。

3度目の出場で悲願のセンバツ初勝利を狙ったが、またもお預けとなった。就任4年目を迎えるOBの橋口監督が「守備のほころびが一番の敗因」と悔やんだように4失策が響いた。

エース右腕・日高(3年)は「全国でも通用する」と指揮官がたたえたように、6失点も自責は2。「顔に当ててでも泥くさくアウトを取る。日高は打たせて取る投手。野手が盛り立てないといけないチームなので、夏に向けて鍛え直したい」

課題は明確。34歳の青年監督の言葉に、リベンジに向けた覚悟がにじんだ。

確かな収穫もあった。橋口監督が日高とともに「チームの看板」として信頼を寄せる高校通算27本塁打の主砲・中村(3年)が8回に意地の適時三塁打。「(強打の天理に)引けをとらない打撃を見せて、一本出してくれた」(橋口監督)。チームに光をもたらす一打は、夏への希望だ。

天理のエース・達(3年)は身長193センチの体格を生かした角度ある最速146キロの真っすぐが持ち味のプロ注目右腕。中村の一打は、中堅の頭を超えるインパクト十分の当たりだった。

関西入り後、チームで「達対策」として球速160キロに設定したマシン打撃を重ね、打撃投手には台に乗った高さから投げてもらった。

中村は「1打席目から速いとは感じなかったし、角度ある球への対策もできていた」と、好投手相手に確かな手応えをつかんだ様子。それでも「(個人の打撃は)まだまだ満足できない」と表情を引き締め、主将として「もう一度、一から守備を見直したい」とチームの課題克服を誓った。

7回9奪三振で強力打線相手に爪痕を残したエースの力投。主砲を中心に、達に161球を投げさせた打線。自信を胸に、必ず夏も帰ってくる――。

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