廣田(長崎日大高)大会新V 最後の一発で最高の跳躍 日本室内陸上 U20男子三段跳び

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【U20男子三段跳び決勝】室内日本高校最高となる15メートル81で優勝した廣田(長崎日大高)=大阪城ホール

 3年間の思い出が染み込んだ「長崎日大」のユニホームで臨んだラストジャンプに、ドラマが待っていた。U20男子三段跳びの廣田麟太郎が最終6本目の試技で大会記録を10センチ更新。「“集中して全力”と言うよりも“三段跳びが大好きでたまらないんだ”という気持ちで跳んだ」。有終の美を飾った18歳の声が弾んだ。
 約3週間前に痛めた腸腰筋に不安を抱えながらも、2本目に15メートル59をマーク。他の選手が6本目までに超えられず、最終試技を前に優勝は決まったが、今回の狙いはもう一つ上だった。「このまま終わっていいのか。絶対やれる」。競技の合間にトイレの鏡の前に立ち、自らに言い聞かせた。
 5本目で踏み切りが合わなかったため「ばくち」で助走開始位置を2メートル下げた。集大成へ感謝を胸にスタート、そして会心のジャンプ。電光掲示板の「15メートル81」にガッツポーズが飛び出した。昨秋の全国高校大会優勝時の屋外とも遜色ない記録に、佐伯直也監督は「冬でさらに力をつけた証拠。最後の一発で最高の跳躍をした」と目を細めた。
 これまでの大会記録は尊敬する諫早農高出身の山本(JAL)が7年前に樹立。同郷の先輩の背中を追い、コロナ禍の中でも向上心を絶やさずに続けた努力が実った。「やったじゃないか」。シニア種目で同じフィールドにいた山本から求められた握手もまた、最高だった。
 室内日本高校最高という自信を胸に、4月からは中学時代から憧れていた日大の「N」のユニホームに袖を通す。長崎を離れても「地元愛を忘れず、謙虚に成長したい」。そう話す表情は達成感に満ちていた。