開幕投手 メジャー史上最多は殿堂入り右腕・シーバーの16度

チームの開幕投手に選ばれ、シーズンの最初の試合の先発マウンドに立つことは、先発投手にとって最高の栄誉の1つと言える。メジャーリーグではこれまでに数百人もの投手がその大役を務めてきたが、なかには開幕戦のマウンドを10度以上経験した投手もいる。メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモンは2リーグ制となった1901年以降の開幕投手を調査し、開幕投手を11度以上務めた14人の名投手を紹介している。

メジャー史上、最も多く開幕投手を務めたのは通算311勝を挙げた殿堂入りの名投手、トム・シーバーだ。メジャー2年目の1968年、23歳のときに初めて開幕投手を務め、そこから1977年まで10年連続。1977年途中にメッツからレッズへ移籍し、1978~79年にも大役を担い、12年連続となった。その後、レッズで1981年、メッツで1983年、ホワイトソックスで1985年と1986年に開幕投手を務め、キャリア合計16度。最後の開幕投手となった1986年(現役最終年)には41歳になっていたが、41歳以上で大役を務めた22人のうちの1人でもある。

しかし、最多連続記録保持者はシーバーではない。シーバーに次いで開幕投手の回数が多いのはスティーブ・カールトン、ランディ・ジョンソン、ウォルター・ジョンソン、ジャック・モリスの4人による14度だが、このうちモリスは1980~93年に14年連続で開幕投手を務め、これがメジャー記録となっている。モリスは最初の11度をタイガース、1991年はツインズ、1992~93年はブルージェイズで大役を担い、この3球団すべてでワールドシリーズ制覇を経験した。

13度のロジャー・クレメンスとロビン・ロバーツがこれに続くが、ロバーツは1950~61年にフィリーズで11年連続開幕投手を務めた。同一チームでの連続記録としては、これがメジャー史上最長となっている。グローバー・アレクサンダー、バート・ブライレブンとともに12度の開幕投手を経験しているのがジャスティン・バーランダー(アストロズ)。タイガース時代に9度、アストロズ移籍後に3度の大役を務め、現役最多記録保持者となっているが、今季はトミー・ジョン手術により全休が濃厚だ。

そのバーランダーを追うのがフェリックス・ヘルナンデス(オリオールズ)。CC・サバシア、ファーギー・ジェンキンス、デニス・マルティネスと並んで通算11度の開幕投手を経験しているが、今季はマイナー契約から開幕ロースター入りを目指す立場である。すでにオリオールズの開幕投手はジョン・ミーンズに決定しており、通算12度目の大役はならなかった。来季以降、バーランダーとヘルナンデスの2人はさらに記録を伸ばすことはできるだろうか。

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