リアル二刀流!大谷が「1番・投手」で大暴れ 最速164キロ&マルチ安打

リアル二刀流の大谷(ロイター=USA TODAY)

エンゼルスの大谷翔平投手(26)が21日(日本時間22日)にアリゾナ州ピオリアで行われたパドレスとのオープン戦に「1番・投手」で出場し、メジャー移籍後自己最速の101・9マイル(約164キロ)をマークした。4回で打者16人に対し62球を投げ、2安打1失点、毎回の5三振を奪い2四球だった。打っては初回に中前打、5回に左中間安打を放ち、オープン戦5度目のマルチ安打をマーク。2018年の米移籍後、公式戦を含めて初のリアル二刀流でビデオゲームのような大活躍を見せた。

初回、先頭打者で打席に立つといきなり快音を響かせた。相手先発は2018年にア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いた左腕スネル。1ボールからの2球目、高めの速球をライナーで中前に運んだ。これで9試合連続安打となった。3回一死なしでは四球を選んだ。

大谷のバットは止まらない。5回一死無走者で2番手の右腕メランソンと対戦。カウント1―1からの3球目、外角低めのカーブを引き付けて強く叩いた。打球は左中間を破った。大谷は楽々二塁へ滑り込んだが、足が浮いた瞬間にタッチされアウトとなった。

日本ハム時代の16年7月3日のソフトバンク戦以来の「1番・投手」はマウンドでも輝いた。初回先頭のオグラディにいきなり三塁打を許すと、打席にタティスを迎えた。先月に史上最長の14年総額3億4000万㌦(約370億円)の巨額契約を結んで話題になった。フルカウントからスプリットで空振り三振に仕留めた。続くクロネンワースの遊ゴロで先制点を許したが、4番プロファーは中飛に打ち取った。

2回は先頭マイヤーズを空振り三振、後続は右飛、二ゴロと8球で終えた。

3回は先頭マテオの四球と1番オグラディの右前打で一死一、二塁のピンチを招き、タティスを打席に迎えるとギアを上げた。2ストライクからの3球目、真ん中の直球はファウルされるも101マイル(約163キロ)を計測。実況アナウンサーは「101マイルの直球!! わお、稲妻だね。なんて楽しい対戦。(タティスも)ファウルにしたよ」と大興奮だ。5球目で遊飛に打ち取った。試合後、球団広報の公式ツイッターは「トラックマンによると101・9マイル(約164キロ)」と〝訂正〟した。

続くクロネンワースを歩かせたが、最後はプロファーを見逃し三振に仕留めた。4回は先頭マイヤーズを遊ゴロ、続く金河成を左飛、カラティニを見逃し三振に仕留め、予定の4回を投げ切った。

試合後、オンライン会見に応じた大谷は投手については「狙いにいった時に三振取れたところはよかった。逆に投げ損じもあったので、悪かったところは投げ損じと無駄な四球が一番かなと思います」と振り返った。

打者としては2本の安打より、カウント1―2から四球を選んだ2打席目を「追い込まれ方もよかったですし、その追い込まれてからのフォアボールを選ぶ姿勢もよかった」と納得していた。

日本ハム時代の16年7月3日のソフトバンク戦以来の「1番・投手」での出場にレギュラシーズンでのリアル二刀流への期待が高まる。大谷は「やっぱり取ってもらった点数はどうしても大事に大事にしたがるところもあると思う。もし自分で取れるなら、ある程度自分の役割もやったという自信もあると思うので、よりアグレッシブにマウンドでも攻められるかなと思っています」と前向きだ。

今季は二刀流の完全復活を期待していたが、「リアル二刀流」も楽しみになってきた。

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