カキ養殖技術報告に農林水産大臣賞 諫早湾漁協のブランド化など評価

独自の養殖技術を確立し、「小長井牡蠣」が人気の諫早湾漁協直売店=諫早市小長井町

 今月開かれた第26回全国青年・女性漁業者交流大会(全国漁協協同組合連合会主催、東京)で、諫早市の旧小長井町漁協(現・諫早湾漁協)のカキ養殖の取り組みに関する報告が、最高賞の農林水産大臣賞(地域活性化部門)を受賞した。県勢では、昨年度の新松浦漁協青年部に続き、2年連続の最高賞。

 旧小長井町漁協は昭和50年代からカキ養殖の研究に着手。1997年の諫早湾閉め切り前後から新たな漁業に挑もうと、諫早湾で初のカキ養殖を本格化。いかだに縄に連ねたかき殻をつるす垂下式の生産方法を確立した。
 2010年には「小長井牡蠣(かき)」の商標を登録。ブランドカキ「華漣(かれん)」は、オーストラリアで開発されたシングルシールド(一粒種)方式で生産。稚貝を一粒ずつかごに入れ、海で育てる。丸みのある身が人気を呼び、12年、第1回かき日本一決定戦で王者になった。
 昨年4月、旧小長井、瑞穂、国見の諫早湾周辺の3漁協(組合員185人)が合併し、諫早湾漁協が発足。カキ生産部会の39人が年間約200トンを水揚げ。
 同大会は全国25団体が5分科会に出場(オンライン含む)。同漁協の代表がカキ養殖を地域の基幹漁業に育て、「小長井牡蠣」の魅力をPRするイベント開催などの成果を発表。新宮隆喜組合長は「試行錯誤を重ねて技術を普及し、地域活性化にも寄与できたのは、組合員やスタッフの努力のおかげ」と話した。
 県勢では、「藻場回復活動を通じた地域連携」をテーマに発表した佐世保市の九十九島漁協小佐々青年部が水産庁長官賞(多面的機能・環境保全部門)を受賞した。

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