国分太一が思う“レベチな人”ビートたけしがアピール。「オリンピックの演出は私に!」

テレビ東京系で3月30日からスタートする新番組「23時の密着テレビ レベチな人、見つけた」(火曜午後11:06)の初回収録後に、制作発表会見がオンラインで開催。MCを務めるビートたけしと国分太一が番組の見どころや意気込みなどを語った。

番組は、世の中に1%くらいしかいないだろうという、“レベチ(レベル違い)な人”を探し出し、普通の人とは次元が違い過ぎる生活をしている、われわれには理解できない考えを持っているなど、“レベチな部分”をディレクターが見つけて、たけしと国分にプレゼン。レベチな人のレベチな生活を完全密着し、レベチな人生を掘り下げていく。

収録を終え、たけしは「笑って喜んでいただけで面白かったですよ。もっと笑わせてくれっていうのと、もっと危険な人出してくれと思いましたな。これテレビ東京もかなり勇気がいると思いますけど、まだいけるなと思いますね」とコメント。

国分も「楽屋に入りましたら置いてある衣装がこれだけっていう状況で、顔だけしか映らないのかというところもありますけれども。芸能界の中では一番のレベチであるたけしさんと、また番組を一緒にやらせてもらえるっていうこと、そして内容的にも本当に普段見ないような方たちがたくさん出てきたり。『この人、本当にレベチなのかな?』っていう人も出てきたり、まだ収録は1回ですけれども、かなり可能性と伸びしろを感じている番組でございます」と、2人とも手応えを感じた様子を見せた。

「2人が出会った印象的なレベチな人は?」という質問に、たけしは「やっぱり歴史に残ってる人は何か違うなっていう、やっぱりすごい人はすごいですよ。本当に教科書に出てくるような人の作品に触れられると、やっぱりレベル違うなって思いますけどね」と前置きし、「よくある話だけど、ゴッホやピカソを見るとやっぱり違うなって思うし。最近、遊びでピアノいじってるんだけどピアニストの曲なんか聴くと『この人のレベルってどうなってるんだ?』と。まあとにかくそういう人たちのことも楽しいことだなと。自分には手の届かないところにいる人だけど、やっぱり面白いですね」と述べた。

国分は「やっぱり、たけしさんがレベチだなと。楽しいこと、ふざけることを率先してやったり。でもフランスでも賞をとっていたり、いろいろな顔を僕も含め皆さんも見ていると思いますけれども、どれもそれがレベルの高いものだと思っているので、そのレベチたけしさんの横で、こうやって一緒に番組をさせてもらってることが本当に幸せですし。たけしさんのようにはなれないですけれども、いろいろと近くにいて、盗めるものは盗もうと思っております」とたけしをリスペクト。

さらに、芸能界でのレベチは人について、たけしは「俺にとっては子ども時代から古今亭志ん生っていう落語家さんは、レベルが違うというような発想はないけどね…あの人は、本当にすごい落語家だと思って。レベルがちがうっていうと競争しているみたいで、そんな気はないって。自分も落語を少しやるけれども、あの人と俺とはレベルが違うとかいうところには下ろしてないね。全然、雲の上の人で、違う生き物だと思うくらいすごいです」と自身が尊敬する人物の名前を挙げた。

そして、自分のレベチな部分に関して、たけしは「やっぱり今の芸能界のいろんな自己規制がすごく多いけども、その時代に前から芸人やってて、とっくに芸能界からいないはずなのに、本当に俺はすごいなと思いますね、干されなくて。前科があってですよ、すごいですよ。死にかけたりなんかして、まだ芸能界でレギュラーなんかを持っているなんて、レベチだと思いますよ。とっくに終わりだよ。事件起こした時点で出入り禁止だよ(笑)」と笑って答えた。

また、1%のレベチな人生と残りの99%の普通の人生とどちらが好みかという質問で、たけしが「結局本人にはどっちだか分かってないから生きてるんじゃないですかね。自分が1%だと気付いたらちょっとまずいですよ。だから大抵普通は私はごく普通の人だと言って、人から見ると『おかしいよあの人。なんであんなにすごいんだろう?』って思うけど」と答えると、国分から「じゃあ、たけしさんは自分は普通だと思っているんですか?」と重ねられ、「ごく普通ですよ。普通のおじいさんですよ。後期高齢者でなんで俺だけワクチン打ってくれないんだって思って」と返して、笑いを誘った。

国分は「1%では、いたいんですよね。それがたぶん自分の個性として出ていると思うので。でもたけしさんが言うように、99%だと自分は思っている。人が見た時に1%と思われるって、それは胸張って生きていけそうっていう、すごく自慢できることなんだろうなって思うので。たけしさんの話を聞いて『あ、そうだな』って思いましたね」と賛同。

MCをする際に大切にしていることは「とにかく楽しくスタジオ作りができたらなと思っています。この番組に関しては、たけしさんに自由にお話をしてもらいたいので、放送には載らないようなトークなんかもかなりさく裂していますけれども、その時はちょっとだけ『いい加減にしなさい!』と言う時はありますけれども。そういう関係にたけしさんとなれて本当に幸せです(笑)」とうれしそうに語った。そんな国分に対して、たけしは「太一くんはもともとTOKIOで知っているけど、アイドル路線から映画とかMCとかに行った時に、オンタイムで見ているんで、一緒に組むっていっても感じは分かっているんで、悪い印象は端からないので楽ですよ」と信頼を寄せた。

加えて、国分は「たけしさんて緊張しないイメージなんですけど、客前に立つとすごい緊張するっていう話と、客前に立つ時のルーティンがあって、『自分はできる絶対面白い。面白い』って言いながら、回りながら出るらしいんですけれども。たけしさんもやっぱり緊張するんだなっていうことに驚きましたね」と、たけしの意外な一面を明かした。それを受けて、たけしは「まあ、浅草時代からだね。前のヤツが漫才をやっている間はグルグル回っている。前のヤツに笑い声が上がると『ウケてるウケてる。負けちゃいられない。たけしは面白い、たけしは面白い』って。で、いまだに、たまに単独ライブをやるんだけれどもやっぱり楽屋で5分前くらいから何かしゃべりながら回りだすね。テンション上がらないと客前って怖いもの。ウケなかった時の妙な沈黙っていうのはめちゃくちゃ汗かくよ。だから『1億円だけどウケないのと、千円だけどウケるの、どっちがいい?』って言われたら千円選ぶもの、やっぱり。ウケないっていうのは響くんだよね。何年経っても、あの時のステージって、思い出す時あるもの。まるっきりウケなくて汗かいてる夢見たり、まあ芸人だからウケなくちゃしょうがないんだけど、ウケなかった時の挫折感はすごいからね」と告白。すると、国分は「意外ですよね。たけしさん、すぐ1億円取りそうな気がしますけどね(笑)」とちゃかした。

最後に、たけしは「この番組も始まりますけれども、まだガタガタ言ってるオリンピックがありますね。あの総合演出は私にやらせてください。オリンピックというのは大体、映画監督がやるもんで、チャン・イーモウとか私とか、イギリスの監督とかがやるもんで。その私がこの番組をやっているという、この面白さってないですから。私はメガホン持って役者を殴っていればいいんですから。それを太一くんと2人で、こんなアマガエルみたいな格好をしてやってるこっちの身にもなってください。見ろよ。お願いですから。泣いてどするんだ(笑)」と“世界の北野”の威厳をちらつかせつつ冗談めかしてアピールし、会見を締めくくった。

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