7年ぶりVのマット・ジョーンズは「マスターズ」で憧れの白鮫の悔しさを晴らせるか

ホンダ・クラシックを制したマット・ジョーンズ(ロイター=USA TODAY)

ゴルフの米男子ツアー「ホンダ・クラシック」で約7年ぶりの優勝を挙げたのはマット・ジョーンズ(40=オーストラリア)だった。グレッグ・ノーマン(66)に憧れて6歳からゴルフを始めた苦労人は、母国の英雄がほぼ同い年で喫した「マスターズ」での悔しさを晴らすことに挑む。

ジョーンズは初日に「61」のコースレコードで首位発進すると、2位に3打差でスタートした最終日はパーオン逃しがわずか1回だけという隙のないゴルフで、5打差の勝利。これで来月のメジャー「マスターズ」(4月8~11日、ジョージア州オーガスタナショナルGC)出場資格を獲得した。

6歳の時に「オーストラリア・オープン」でノーマンと記念撮影する機会に恵まれ「この人のようになりたい」と思ったことがきっかけでジョーンズはゴルフを始めた。

その憧れの人、ノーマンの「マスターズ」には悲劇がつきまとう。1987年はプレーオフでラリー・マイズ(66=米国)に劇的なチップインを決められて敗退。96年は最終日を6打差の首位で迎えながら78の大叩きでニック・ファルド(63=英国)に逆転Vを許すなど、どうしてもグリーンジャケットに手が届かなかった。

この大逆転負けの時、ノーマンは41歳。ジョーンズは「マスターズ」最終日の8日後が41歳の誕生日と、ほぼ同じタイミングでの出場となる。

くしくも今年の「マスターズ」には、ノーマンがラジオのアナリストとしてオーガスタに戻ってくる。ジョーンズが前回出場した14年大会には出場していなかったため、初めて同時に〝参戦〟することになる。

ジョーンズは7年前の「ヒューストン・オープン」Vで獲得した2年シードが切れる15~16年シーズンの最終戦にシード(ポイントランキング125位まで)ぎりぎりの124位で挑みながら、予選落ちで126位に降下。以後2シーズンは下部ツアーが主戦場となる低迷期を経てツアーに戻り、この日の優勝にまでたどり着いた。

7年前の「マスターズ」は前週のVで出場資格を得たため、満足な準備ができなかった。

2週間の準備期間がある今回は、ノーマンの前でどんなプレーが見せられるか。

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