【センバツ】初戦突破の福岡大大濠 “顔つき”も気合十分!エース・毛利海大は筑豊育ちの逸材

1失点完投の快投を見せた福岡大大濠・毛利

第93回選抜高校野球大会の第3日第2試合で、福岡大大濠(福岡)が2―1で大崎(長崎)を下し、初戦を突破した。2回一死二、三塁から松尾光気(3年)が2点打を放つと、投げてはエース左腕の毛利海大(3年)が4安打1失点の完投。ストレート、カーブ、チェンジアップと緩急自在な投球で10三振を奪い、大崎打線を翻ろうした。

昨秋の九州大会決勝で敗れた相手にリベンジを果たした毛利は「後輩が(決勝で)投げてやられたんで、その借りを返すイメージで投げた」。冬の練習でカーブの握りを習得した。下半身中心に土台を作ったことで143キロと球速が増し、制球力も安定。投球の幅を広げ、初戦で堂々たる投球を披露した。

福岡・田川市のやんちゃな環境で育った。筑豊地区は福岡でもヤンキーやギャル系の若者が多いとされ、小学校時代から野球に打ち込んできた毛利も、気合の入った周囲の先輩たちの中でもまれてきたという。同郷になるお笑い芸人のバカリズムやバイキング小峠はテレビのバラエティ番組などで「夏場はパンツ1枚で授業を受けていた」「インフルエンザの予防接種に並んでいたら、他校に割り込まれて大喧嘩になった」などと昔のヤンキーエピソードを明かしている。

学校関係者は「そこから1人で出てきてエースになった。強心臓で物おじしない男です。礼儀や周囲を思いやることもできる」と感心しきりで、OBも「気持ちがタフだから野球も勉強もできる。毛利も顔つきからして負けず嫌いでしょ」と太鼓判を押している。

「今日はみんなが勝ちたいという気持ちが非常に出ていた。勝ててほっとしています」とナインを称えた八木監督。毛利は「まずは8強以上、その先の4強、優勝に向かって勝っていきたい」と再び気合を入れた。

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