『高級魚クエ』新上五島の名物に 五島市移住で会社設立

クエの加工商品を紹介する山口さん(左)と、石田町長=新上五島町役場

 東京都出身で五島市在住の山口博さん(34)が立ち上げた漁業と水産品加工販売業の「九絵(くえ)」(東京)が、長崎県新上五島町近海で捕れた高級魚クエ(アラ)を使った加工食品を考案した。4月1日からインターネットで販売する。

 山口さんは釣り好きで全国を巡るうち、五島列島を気に入り、29歳で五島市に移住した。漁師をしながら都内で和食料理店を経営した経験もある。大好きなクエを自身の手で消費者に届けたいと昨年3月、同社を設立した。新上五島町内に地元の水産加工業者から機材や技術を引き継いだ加工場がある。
 クエは一本釣りした後、1週間~1カ月、低温保存で熟成させ味わいを高める。価格は部位などで3段階に分けた。
 商品は2種類。鍋料理用の切り身セット「九絵鍋」(2人前計500グラム、1万6200円~)と、アゴだししょうゆベースのたれに漬け込んだ「九絵漬」(2人前100グラム、3240円~)。「九絵漬」はそのままでも、お茶漬けでも楽しめるという。
 五島列島の食としてPRしていきたいと、試食会を10日に役場で開催。石田信明町長らが九絵漬や鍋料理に舌鼓を打ち「熟成した中にも歯触りが残っていておいしい。上五島の新たな名物になれば」。山口さんは「クエの商品を足掛かりに、おいしい魚を紹介し五島列島をPRしていきたい」と話した。
 問い合わせは同社(電080.3607.4285)。

© 株式会社長崎新聞社