今年は『藤浪かわいそう』撲滅! トラの開幕投を支える「特別ルール」&「鉄壁布陣」

3・26開幕戦に向け、調整を行った阪神・藤浪(右)

復活を期す右腕にとって、すべてがいい方向に向かっているのかもしれない。阪神の開幕投手に内定している藤浪晋太郎投手(26)はオープン戦3試合に登板し、計13イニングを防御率2・77と終始安定した成績をマーク。プロ9年目にして初めて務める大役へ「あとは本番でやってもらうしかない」と矢野監督の期待も大きい。

〝コロナ特例〟も背番号19を後押しする格好だ。NPBは政府による営業時短要請に応じる形で、今季公式戦の9回打ち切りを決定。例年以上に〝先行逃げ切り型〟の戦術が重要視される中、矢野監督も「1点を防ぐため勝負にいくタイミングも早くなると思う」と早い段階での守備要員投入の可能性を示唆する。

藤浪は昨季、好投こそするものの味方の失策によりリズムを崩し、失点を重ねるといったケースが何度となく見られた。象徴的だったのが7月30日のヤクルト戦(神宮)。6回まで1失点と力投するも、7回にバックが2失策を含む守備のミスを連発し、この回だけで3失点。7回4失点(自責は1)の内容でマウンドを降り敗戦投手になった右腕にはファンからの同情も集まり「藤浪かわいそう」がツイッター上でトレンド入りするまでになった。

だが、今季はドラフト6位ルーキーの中野拓夢内野手(24=三菱自動車岡崎)や、昨オフに巨人から金銭トレードで移籍してきた山本泰寛内野手(27)など、守備力に定評のあるニューカマーが開幕一軍切符をゲット。勝負どころとなる6回、7回の攻防で頼もしい援軍となることは間違いないだろう。23日の全体練習(鳴尾浜)から一軍に合流した外野守備のスペシャリスト・江越大賀(28)の存在も大きい。

26日に敵地・神宮球場で強力ヤクルト打線と対峙することになる藤浪だが、くしくも昨年同日に新型コロナウイルス感染が判明。葛藤の末、復活への光明をつかんだ激動の1年間を神宮の杜のマウンドで総決算できるか、注目だ。

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