センバツ】愛媛の赤靴下軍団・聖カタリナ学園が東海大菅生に1点差惜敗 越智監督「いいものいただいた」

初戦で敗れた聖カタリナ学園

あと一歩及ばなかった。聖カタリナ学園(愛媛)は「第93回選抜高校野球大会」(甲子園)5日目の24日、第1試合で東海大菅生(東京)に3―4と惜敗。9回に2点を奪い、猛追したものの1点差に泣いた。

東京王者をラストイニングで追い詰めた。3点を追う9回一死から2本の単打と四球で満塁とし、相手の暴投で三塁走者が本塁生還を果たす。2点差に詰め寄ると、その後も田代(3年)の犠飛で1点を返して次打者が四球で歩き二死満塁。しかし最後は4番・川口(3年)が三ゴロに倒れ、涙を飲んだ。

試合後の越智良平監督(40)は「序盤から苦しい展開となり、後半ひっくり返そうと思ったが、あと一本が出なかった」と悔しげな表情を浮かべた。それでも相手のミスに突け込み、センバツ優勝候補に挙げられる強豪校を苦しめた試合内容は大きく評価される。

同校は女子校から2016年に男女共学となったことに伴い、野球部を創部。強豪・早大で主将も務めた経歴を持つ越智監督は就任以来、選手たちとともに懸命になりながらチーム力を高め、創部から僅か5年で春夏通じて初の甲子園出場の切符をつかんだ。

メジャーリーグのレッドソックスに「そっくり」とSNS上でも話題になっている「赤」のユニホームを採り入れたのも越智監督の発案だ。「伝統がない分、しっかりとチームカラーを出していきたいなという思いでチームを作っている。赤色を見たとき、カタリナ校と分かるようなコンセプトで作った」と言葉に力を込めた。

どこまでも熱い越智監督は「君たちが作っていったものが道となり、歴史を作っていく。そういう気持ちで皆が集まってくれていると思っている。菅生さんからいいものをいただいたと思うので、その差を埋められるように夏に向けて準備したい」とも言い切った。

春の悔しさは夏に晴らす。〝愛媛の赤靴下軍団〟の面々は熱血指揮官とともに新たな再出発を誓っていた。

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