橋本聖子氏「ちょっと信じられない」古賀稔彦さんの訃報に絶句

橋本聖子氏

1992年バルセロナ五輪柔道71キロ級金メダリストの古賀稔彦氏が24日朝に53歳で亡くなったことを受け、共に五輪出場経験のある東京五輪・パラリンピックの橋本聖子会長(56)は第一声で「実は先ほど訃報をお聞きしまして、ちょっと信じられない…」と絶句した。

両氏は1988年ソウル、92年バルセロナ、96年アトランタの3大会で共に戦った。古賀氏はバルセロナ五輪で直前にケガをしながら金メダルを獲得。その瞬間を「体が震えた」「いまだに忘れない」と表現した橋本会長は、当時の様子をこう振り返った。

「ケガをして足を引きずりながら選手村のダイニングでお会いした時、強い気持ちで決勝に向かっていくとおっしゃっていた。すごい強い人だなと思いました」

その後、古賀氏が後進の指導に当たる姿も見ていた橋本会長は「こういう方が次の世代のスポーツ界を引っ張っていただけるとずっと思っていた」と話し、特に印象深かったのが谷本歩実さん(39)が2004年アテネ五輪の女子63キロ級で金メダルを取った瞬間だったという。

「古賀さんの胸に飛び込んでいったシーンは、アスリートの誰もが憧れたのではないかと思っています」

くしくも、亡くなったこの日は東京五輪聖火リレースタートの前日。古賀さんは10日に故郷の佐賀・みやき町を聖火ランナーを努める予定だった。「未来に向かった明るい希望がともされる聖火リレーに」という橋本会長は、最後に「心からご冥福を申し上げます」と語った。

© 株式会社東京スポーツ新聞社