「きれいな顔でした」元講道学舎会長・中山美恵子氏が古賀稔彦さんと悲しみの対面

中山氏(左)と古賀さん

柔道のバルセロナ五輪男子71キロ級金メダリストで“平成の三四郎”こと古賀稔彦さんが24日朝に53歳で死去したことを受けて、川崎市内の古賀塾前で講道学舎では会長を務めていた中山美恵子さん(78)が報道陣の取材に応じた。

古賀氏を中学時代から知る中山さんは「練習が終わってからも、道場の鏡の前で1時間くらいお兄ちゃんと(居残り練習を)やっていた。24時間が柔道だった」と振り返った。

またバルセロナ五輪直前に左ヒザを負傷した古賀氏に対し、講道学舎の創始者の故横地治男理事長から「人間の勝負をしなさい。片足ででも勝負をしなさい」と厳命されたことも明かした。

続けて「普通、ケガで練習もできない人間に対して『なんで?』と思うところ。でも理事長も『古賀だったら自分が言わんとすることの精神が理解できる』と確信してたんだと思う。古賀君もきちんと理解した。深く理解できる天才だと思います」と、しみじみ語った。

この日は悲しみの対面となったが「痛みで顔がゆがんでないかと心配したけど、きれいな顔でした」と語り、道場を後にした。

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