【センバツ】中京大中京・畔柳も初戦完封! プロに質問「市和歌山・小園とどっちがすごい?」

中京大中京・畔柳(左)と市和歌山・小園

第93回選抜高校野球大会第6日第1試合でプロ注目の剛腕、中京大中京(愛知)の畔柳亨丞投手(3年)が登場し、専大松戸(千葉)相手に6安打無失点、12奪三振の完封ショーを演じた。市和歌山の小園健太投手(3年)と並び称される大会屈指の右腕は最速147キロのストレートをはじめ、スライダー、1年先輩の中日ドラフト1位・高橋宏斗投手直伝のチェンジアップで専大松戸を圧倒した。1回戦で県岐阜商(岐阜)相手に4安打完封した小園とどっちがすごいのか。ネット裏のプロスコアラーに聞くと…。

131球を投げ抜いた畔柳は「常に攻めの姿勢で投げた。今日はチェンジアップがよかったと思う。チームを勝たせることが最大の役目。一人ひとりの打者に全力で向かって行こうと思った」と汗を拭い、小園についても「素晴らしい投球をしたんで、自分も見ていて負けられないと思った」とライバル心をのぞかせた。

ネット裏のプロスカウトも総じて絶賛の嵐だ。あるパ・リーグスカウトは「腕を振れるので打者は手元で球速以上に速く感じるはず。力感もあるし、終盤に140キロ後半を連発できるのもすごい。先発も抑えもいける。先輩の高橋の無敗の背中を見てきて最後までホームを踏ませない気迫を感じた」と舌を巻き、他のスカウトも「体格的にリリーフの適性があるかもしれない。今のソフトバンクの守護神の森や昔の近鉄の佐野みたいなタイプ」と高く評価している。

剛腕のイメージながら「自分のコンディションに合わせた投球ができる。豪快に見えてクレバーで、修正能力もある」との見方もあり、この日も序盤にフォームがしっくりこなかったことで足の上げ方を変えてクイックにしたり、プレートの踏む位置を変えるなどしてバランスを調整。「初回に体が開き気味だったのがすぐに直せていた」と感心するばかりだ。

では、一方の雄・小園との比較についてはどうなのか。あるスカウトが「打者に向かっていく畔柳のストレートの球筋はすごい。則本(楽天)みたいになれる。畔柳の方が上だ」と言えば、別のスカウトは「小園の方が器用で先発タイプ。いろんな球種でボールを散らし、長いイニングをタラリタラリと投げられる。畔柳は変化球がまだまだだし、昨年の高橋の方が1枚も2枚も上」とも…。

意見が分かれる中で「菅野(巨人)と澤村(レッドソックス)を比べるようなもの。体格も投法も違うから比べるのは難しい。畔柳は澤村のようなドカーンという真っすぐが魅力だし、小園は菅野のような投球術タイプ。どっちもいい投手に変わりはない。器用さとパワーを両方身に付けているのがプロだよ」と伸びしろを期待して双方に〝軍配〟を上げる声もあった。

どちらも球威、変化球、スタミナ、修正能力とも超高校級の逸材。両者の〝対決〟に注目だ。

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