小倉智昭「とくダネ!」ネットの荒波にもまれ終了 22年間続いた背景に〝エンタメ切り〟

小倉智昭

26日で22年間の歴史に終止符が打たれたフジテレビ系情報番組「とくダネ!」(月~金曜午前8時」は、エンタメ主軸路線の終焉、ネット媒体台頭の直撃など、各局ワイドショーの変遷を象徴する歴史を歩んできた。

1999年4月1日から5646回にわたって放送されてきた「とくダネ!」。番組の顔・小倉智昭キャスター(73)をサブキャスターとして2019年まで20年間支えた笠井信輔アナウンサー(57=現フリー)は、20日の「週刊フジテレビ批評」で、長続きした理由の一つに「大幅な軌道修正」を挙げていた。

プロデューサーの交代でエンターテインメント情報を扱わなくなった時期があり、「基本、エンタメを軸に活動している2人(小倉、笠井)からエンタメが奪われてモチベーションはガーッと落ちました」と笠井アナは回顧。ネタ探しの元も新聞、雑誌からインターネットへ。不満を示した小倉について「もう、やる気なしです、半分」という状態が一時見られたことも明かした。

ただ、そうした路線変更はおおむね功を奏し、長寿番組化につながったという。

ネット上では新聞に掲載された初回の番組表も見られる。その内容は、宇多田ヒカルやサッチー騒動、大西結花、室井滋とすべて芸能ネタ。浅香光代が野村沙知代氏(ともに故人)を批判して「ミッチーVSサッチー騒動」が勃発したのは、初回前日の99年3月31日。宇多田は前年末に出したデビュー曲が大ヒットし、「スケバン刑事」で知られる大西は当時、所属事務所の騒動に巻き込まれていた。

同年4月1日には「ヤフー ジャパン」が「インターネットTVガイド」(現TVガイド)と提携し、テレビ番組表のリニューアルを行うと発表された。当時、「ヤフー ジャパン」は1日2200万ページビューで、月間約6億6000万に相当。同サイト内の「ヤフーニュース」は昨年4月に225億ページビューを記録。ネット時代の荒波にもまれ、「とくダネ!」は幕を下ろした。29日からは俳優谷原章介(48)らがMCの「めざまし8」が放送される。

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