カブス・ホーナーがマイナー降格へ FAの先延ばしが目的か

「ESPN」のジェフ・パッサンによると、カブスは正二塁手候補のニコ・ホーナーをマイナーに降格させる方針を固めたようだ。今季がメジャー3年目のシーズンとなるホーナーは、ここまでオープン戦14試合に出場して打率.361、1本塁打、6打点、3盗塁、OPS1.039の好成績をマーク。ホーナーがマイナーで36日間を過ごすと、カブスはホーナーのFAを1年先延ばしにできるため、それを目的とした措置であるとみられている。

現在23歳のホーナーは2018年のドラフト1巡目(全体24位)指名でカブスに入団し、2019年9月にメジャーデビュー。2018年のドラフト組では一番乗りでメジャーの舞台に登場した。昨季は48試合に出場して打率.222、0本塁打、13打点、3盗塁、OPS.571に終わったものの、ゴールドグラブ賞の二塁手部門でファイナリスト3名に選出。今年はオープン戦で好成績を残し、正二塁手の最有力候補と目されていた。

他の正二塁手候補では、デービッド・ボーティも打率.316、3本塁打、OPS1.065の好成績を残している。ユーティリティ・プレーヤーのイルデマーロ・バルガスも打率.324と結果を残し、マイナー契約の招待選手であるエリック・ソガードも打率.370と好調。カブスとしては、無理にホーナーをレギュラーとして起用する必要がないため、FAを1年先延ばしするためにマイナー降格を決定したとみられる。

とはいえ、好成績を残してレギュラー有力と目されていた選手をマイナーへ降格させることで選手側からの反発を招くのは間違いない。カブスはクリス・ブライアントのメジャー昇格時にも意図的に昇格を遅らせて選手との関係が悪化した前例があり、「またサービスタイム(=メジャー登録日数)の調整か」との声も多数上がっている。サービスタイムの調整はどの球団も少なからずやっていることだが、今オフの労使交渉の際には、サービスタイムの取り扱いが争点の1つとなりそうだ。

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