五島の喫茶店跡 放課後の児童生徒を預かる施設へ 「みんなの家」4月開所

喫茶店「千家」跡を改修し、4月から本格始動する「みんなの家」=五島市大荒町

 昨秋に惜しまれつつ閉店した長崎県五島市大荒町の喫茶レストラン「千家」跡が、放課後の児童生徒を預かる施設「みんなの家」に生まれ変わった。4月に開所し、保護者のニーズに応じて夜や休日の預かり、習い事教室への送迎などにも柔軟に対応する。千家創業者の長女で施設長を務める濱崎亜紀子さん(51)は「子どものためだけでなく、親の負担を軽くする場所にしたい」と話す。
 音楽教室を営む濱崎さんは「子育て中の親をサポートしたい」との思いを長年温めており、母の高洲節子さん(74)が昨年10月末で千家を畳んだのを機に店舗跡を改修した。
 補助金を受けずに運営する民間施設のため、保護者は就労証明書を提出しなくても利用できる。保護者の要望に応じて平日午後8時までは延長料なしで子どもが過ごせるようにし、それ以降や休日も延長料を払えば引き受ける。
 また6月ごろからは、ひとり親世帯や共働き世帯の子どもが自宅に帰って一人きりで食事をせずにすむよう、事前予約があれば夕食を1食500円で提供。高洲さんが厨房(ちゅうぼう)に立ち、千家で出していたメニューを作るという。
 濱崎さんは「子どもたちはみんなの家で宿題を終わらせたり食事をしたりして、自宅では保護者とゆっくり充実した時間を過ごしてほしい」と話す。


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