茂木健一郎氏 学生にコロナ清掃代10万円要求のホテルを批判「感覚がまともじゃない」

茂木健一郎氏

脳科学者の茂木健一郎氏(58)が28日、ツイッターを更新。コロナ感染者を出した専門学校の学生が、宿泊していたホテルに延泊を求めたところ清掃代10万円を求められたという問題について言及し、ホテル側の対応を批判した。

これは今年2月、国家試験に備えてホテルで勉強していた福岡の専門学校の学生5人が延泊を申し込んだ際、学校でコロナ感染者が出たことを伝えたところ「あなたたちの感染が判明したら清掃代10万円を要求する」「他の客にキャンセルが出たら損失分を請求する」と言われたため、延泊を断念したという。

これについて茂木氏は「ホテル側の説明は、自分たちの理屈としては筋が通っているように見えて、弱い立場の学生への思いやりが足りない。つまり、ホテルというサービスの本質をわかっていない。こういうホテルには泊まりたくない」とホテル側の対応に疑問を呈した。

その上で「旅館業法第5条の趣旨を考えても、清掃代10万というのはふっかけすぎで、ホテルは何をイキっているのかとしか思えない。感覚がまともじゃないよ」と感染が明らかでない場合の宿泊拒否は違反となる…という旅館業法を例に挙げて批判した。

続けて「『あなたたちの感染が判明すれば清掃代10万円を求める』『他の客にキャンセルが出たら損失分も請求する』とか無茶苦茶。10万円の根拠は? 損失分は民法でいう相当因果関係があるのか? このホテルのマネジメントは、法的思考が欠けている。極めて不適切」と強い論調で断じた。

ただ、この専門学校では昨年も感染者が出て寮が閉鎖され、このホテルを利用した学生1人が宿泊中に感染が判明。ホテル側は学校の感染状況を事前に知らされておらず、この際は部屋の消毒などの費用は感染した学生側が負担。今回はこの前例を踏まえての措置だったという。そのためフォロワーからは「ホテルも弱者」「ホテルは隔離病棟ではない」といった声も出ている。

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