巨人・今村が7回1失点と好投 粘り強さ引き出した宮本コーチの〝ゲキ〟とは…

巨人・今村は7回1失点と粘りの投球を見せた

決死の覚悟が好投につながった。巨人の今村信貴投手(27)が28日のDeNA戦(東京ドーム)に先発し、7回1失点と好投。勝ち負けはつかなかったが、ゲームメークに貢献した。

粘り強さを見せた。今村は初回、先頭打者の桑原に右越えの二塁打、続く関根の犠打で一死三塁と早々にピンチを招く。なんとか抑えたい場面だったが、ドラフト2位ルーキーの牧に三塁線へ適時二塁打を放たれ、あっさりと先制点を献上した。

その後も苦しい投球は続き、4回まで毎回先頭打者に安打で出塁されるなど、課題とする立ち上がりで四苦八苦。それでも内外にコースを使い分ける丁寧な投球で失点を許さず、7回まで最少失点で投げぬいた。降板後、今村は「最初は力が入りすぎてしまって悪いリズムでの投球になってしまいました。何とか粘って7回を投げることはできましたが、先頭打者を5度出塁させてしまい、攻撃への流れを作ることができませんでした。そこが悔しいです」と振り返った。

一方、首脳陣は試合を作った左腕の奮投を高く評価した。原監督が「ボールそのものは非常に良かったと思いますね。まあ、立ち上がり、もう少し注意深さがあってもね…。しかし1点で抑えているわけだから、7回。見事なピッチングだと思いますよ」と評価すれば、宮本投手チーフコーチも「今村の投手としての投球っていうのが確立されたのかなと。非常にいい形で次に迎えられるんじゃないかな」と称賛。価値ある登板となった。

そんな好投の陰には、宮本コーチが飛ばした力強い〝ゲキ〟があったようだ。「今日は『野球人生かけて投げろ』ということを言ったんで。今日しっかり投げきれれば(今後プロで)10年できるよ、と。今日ダメだったら2年で終わるぞ、と。それぐらいのプレッシャーかけていったんで」と宮本コーチ。プロ10年目にして初の開幕ローテを任された左腕へ、今季初登板ながら「背水の陣」を敷いていた。

その言葉通り、すべてをかけて臨んだ今季初先発。決意の好投に、宮本コーチも「やっぱり根性あるなって。今年にかける思いっていうのは伝わってきました」と笑顔を見せた。

貴重な左腕の成長は、チームにとっても好材料。この日の登板で、まずはローテーションの一角としての信頼を勝ち取ったに違いない。

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