新型コロナ「まん延防止等重点措置」 略称“マンボウ”にギャップありあり

マンボウ

誰がこう略したのか。新型コロナ感染拡大防止策として適用が取りざたされている「まん延防止等重点措置」が、「まん防」「マンボウ」と称されることに違和感を覚える人が少なくないようだ。

緊急事態宣言に至らぬよう、飲食店への営業時間短縮命令など集中的な対策を取れるようにしたのが「まん延防止等重点措置」だ。2月に施行された新型コロナ対応の改正特措法に新設された。現在は宮城県への適用検討を求める声が上がり、ネット上では「宮城にマンボウ?」と、魚類を連想してしまうような反応もみられる。

最近は、政府対策分科会の尾身茂会長が「マンボウ」と口にする場面がテレビ等で伝えられている。先日、放送された「バイキングMORE」(フジテレビ系)では、この略し方に「緊張感がない」と出演者から違和感も述べられた。

「マンボウ」を最初に紹介したのは、2月上旬の朝日新聞とみられる。緊急事態宣言解除後のリバウンドを警戒する同措置が「下りマンボウ」と政府内で呼ばれていたと伝えた。ならば、官僚か政治家が略称源となる。

一方、感染拡大期の適用は「上りマンボウ」。西日本新聞は今月、電子版で「マンボウが政権の吉兆占う?いまや官邸の共通語」と題した記事を出している。メディアも含めて今や流行語と化してしまった。

ネットでは「どくとるマンボウ航海記」の故北杜夫さん、元芸人マンボウやしろの名まで挙がっており、さながらマンボウ祭りの様相。コロナへの危機感を促す措置と、この略称にギャップを感じる人もいるだろう。

水族館で人気のマンボウは2015年、国際自然保護連合(IUCN)から絶滅危惧種に指定されて話題になった。昨年には、疫病退散を願って描かれたという江戸時代のマンボウ木版画が和歌山市立博物館に展示されていることが報じられ、そのニュースが拡散した。

思わぬ略称の流行に驚いているのは当のマンボウか…。

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