尾道といえば、やっぱり「尾道ラーメン」ではないでしょうか?
尾道ラーメンは、尾道市を代表する名物。
その尾道ラーメンが、JR尾道駅のすぐ隣で食べられるのです。
店の名前は「尾道ラーメン たに(以下 たに)」。
尾道駅舎の西隣のビル1階にある尾道ラーメン専門店です。
熱々の醤油スープにたくさん浮いたブタの背脂、大きなチャーシュー。
やみつきになるような、おいしい尾道ラーメンが楽しめます。
サイドメニューや定食も充実し、テイクアウトや通信販売も人気です。
“駅近”で尾道名物・尾道ラーメンが食べられる「たに」について、魅力やこだわりを深掘りします!
尾道ラーメンたには尾道駅西隣にあるラーメン店
たには尾道ラーメンの専門店です。
たにがあるのは、尾道駅舎と百貨店「尾道 福屋」のあいだにあるビル「Bell Port ショッピングタウン」の1階。
ちょうど「ミスタードーナツ」と「尾道しまなみ郵便局」のあいだです。
鉄道やバスで訪れやすいのが、たにの特徴ではないでしょうか。
そのため昼ごはんのピーク時間は過ぎていたにもかかわらず、たくさんのお客さんがお店に出入りしていました。
尾道ラーメンたにのメニュー
価格は消費税込。2021年(令和3年)2月時点の情報
たには尾道ラーメンの専門店のため、ラーメンは「尾道ラーメン」のみです。
基本の尾道ラーメンをベースに「チャーシューメン」「もやしラーメン」「辛いラーメン」などのバリエーションがあります。
さらにラーメン店の定番のサイドメニューである「ライス」「チャーハン」「ギョウザ」「唐揚げ」に加えて「とんかつ」までラインナップ。
日替わりのおかずとラーメン、ライスがセットになった「日替わり定食」もあります。
日替わり定食はコストパフォーマンスが良く、人気です。
次は、メニューのなかから人気の商品を見ていきましょう。
「尾道ラーメン」はスタンダードなスタイルで熱々のスープが特徴!
たにの看板メニューで、尾道名物の「尾道ラーメン」(650円)。
尾道ラーメンには「小」(600円)もあります。
たにの尾道ラーメンは、スタンダードなスタイル。
焦茶色のスープに浮かぶたくさんのブタの背脂、大きなチャーシューにメンマ・ネギの具材。
まさに「尾道ラーメン」というようなビジュアルです。
スープは魚介ダシと醤油をベースに、鶏ガラやトンコツで煮込んでいるそうです。
スープは甘めの甘辛味で、醤油の風味やうまみに加えて、ほどよい脂感が味わえました。
そして、トロトロの背脂の甘みやコクも広がっていきます。
スッキリとした味わいのスープでした。
尾道ラーメンは平打ち麺の店も多いなか、たにでは細めのストレート麺です。
モチッとした弾力のある麺で、スープとの相性も抜群。
夢中で麺をすすり、アッという間にスープまで完食しました。
人気のサイドメニュー「唐揚げ」と「唐揚げ定食」
たにのサイドメニューのなかで、人気があるのが「唐揚げ」(4個 400円)です。
唐揚げ定食は3種類。
- ラーメンに唐揚げ、ライスの「唐揚げA定食」(1,000円)
- ラーメンに唐揚げ、チャーハンがつく「唐揚げスペシャル定食」(1,200円)
なお、定食につく唐揚げはいずれも3個です。
唐揚げを食べると、カリッとした軽快な食感の衣で、とても香ばしい。
中の鶏肉もジューシーでおいしかったです。
旧店舗時代から根強いファンのいる「とんかつ」「とんかつ定食」
たにには「とんかつ」(600円)があります。
「なぜラーメン店にとんかつが?」と不思議に思うかもしれません。
たには最初、福山市松永地区で営業していました。
旧店舗時代は大衆中華店のようにメニュー数が多く、そのなかにとんかつもあったそう。
旧店舗時代に人気があったメニューのひとつが、とんかつ。
とんかつは単品のほかに、定食もあります。
たにのとんかつはとても大きく、ボリューム感は満点。
そして、衣がサクッとしていて香ばしいです。
テイクアウトや通販も人気!
たにでは、全品テイクアウトできます。
利用するときは、スタッフにテイクアウトすることを伝えましょう。
さらに、たにではラーメンの通信販売をしており、好評です。
通販で買えるのは「尾道ラーメン」(1食 650円)。
また具材の増量(1個 250円)ができます。
通販については、たにの公式ページより購入可能です。
いわゆる”駅近”で、尾道の名物・尾道ラーメンが楽しめる、尾道ラーメン たに。
運営する「合同会社 尾道ラーメンたに」の代表・谷森公治(たにもり こうじ)さんにインタビューをしました。
尾道ラーメンたにの代表・谷森 公治さんにインタビュー
いわゆる”駅近”で、尾道の名物・尾道ラーメンが楽しめる、尾道ラーメン たに。
運営する「合同会社 尾道ラーメンたに」の代表・谷森公治(たにもり こうじ)さんにインタビューをしました。
ラーメン店か焼鳥店をするのが夢だった
──開業の経緯を教えてほしい。
谷森(敬称略)──
もともと私はラーメン店どころか、飲食店とはまったく違う仕事をしていました。
ただ、ずっと飲食店をしたいという夢は持っていたんです。
子供のころ両親が、飲食店ではないんですが商売をやっていました。
忙しかったので、晩ごはんを私がひとりでつくったりしていたんです。
そんな経験をしていたので、自然と料理の世界に興味を持ちました。
ただ、店を始めるには開業資金がかかります。
だから資金を貯めようと、はじめは飲食と別の業界で働くことにしたんです。
でも結婚したり子供が生まれたりして、だんだんとお金がかかるようになりまして……。
資金を貯めるどころじゃなくなってしまいました(笑)。
あるとき、福山の松永地区(福山市西部)でラーメン店を経営していた親族が店を閉めるという話を聞いたんです。
そこで親族に、跡地で店をさせてくれないかと相談してみました。
そして松永地区の親族の店の跡に、私がラーメン店を出すことになったんですよ。
これが「たに」の始まりです。
親族にラーメンをはじめとする料理のつくりかたを習い、オープンできたのは1997年(平成9年)11月。
はじめのころはラーメンだけでなく、丼ものなどいろいろなメニューがあって、大衆中華のような店でした。
店名は「中華そばの店 たに」。
ちなみに「たに」は、私の愛称ですよ。
──昔からラーメン店をしたかった?
谷森──
飲食店でやりたかった店は、ラーメン店か焼鳥店なんです。
ラーメン店は、日本人の国民食といわれるぐらいメジャーな外食メニューですので、興味を持ちました。
焼鳥は、愛媛県の今治(いまばり)で仕事をしたのがきっかけ。
今治は鉄板で焼く焼鳥が名物で、それを食べて焼鳥に興味をもったんですよ。
──現在地に出店したのは、いつ?
谷森──
現在地に出店したのは、2011年(平成23年)12月です。
まず2003年(平成15年)7月に2号店として、尾道市の長江口に「尾道ラーメン たに」として長江口店を出しました。
その後、2006年(平成18年)7月に現在のビルの2階に、3号店として尾道ラーメン たに 駅ビル店を出したんです。
松永の店は翌2007年(平成19年)2月に閉めました。
そして駅ビルの1階のテナントが開くことになったのを機に、2011年12月に現在の駅ビル1階へ長江口店と駅ビル店を集約する形で出店したんですよ。
だから今(取材時=2021年1月)は、駅ビル1階の店だけですね。
同じ時期にオープンしたラーメン店とともに研究し、切磋琢磨した
──ラーメン店の経営は順調だった?
谷森──
いいえ。最初のころは、かなり苦戦しましたよ。
苦しかったころ製麺所を通じて、同じ製麺所を利用していた福山駅前の「一丁」の黒岩光輝(くろいわ みつてる)さんと知り合ったんです。
谷森──
ちょうど一丁さんもオープンした直後。
試行錯誤している最中でした。
話をしているうち、料理経験の豊富な黒岩さんに、私があらためてラーメンづくりを教えてもらえることになったんです。
親族のつくっていたラーメンも尾道ラーメンでしたが、一丁さんとは全然違っていました。
そして、ラーメンづくりも黒岩さんに教えてもらったものに変えたんです。
またラーメンを教えていただいたあとも、よりよいラーメンづくりを目指して黒岩さんといっしょにラーメンの研究を続けました。
月一くらいだったと思いますが、黒岩さんと会って、お互いが考えているラーメンをつくって食べ合っていたんです。
そして「ここがいい」とか「ここはもっと変えないと」とか、いろいろ指摘し合うことを続けました。
納得のいく味が安定してつくれるようになるには、2〜3年はかかりましたね。
ほかにも黒岩さんはいろいろ教えてくれました。
恩人ですね。
今もお付き合いは続いていますよ。
ストレートのスープだから高めの温度でラーメンを楽しめる
──たにの尾道ラーメンのこだわりや特徴、工夫していることなどは?
谷森──
一番のこだわりは、スープですね。
当店のスープは、タレとラーメンの元スープを割らない「ストレート」のスープです。
割るとどうしてもスープの温度が下がってしまいますが、ストレートスープだと割らないため、スープを高めの温度で提供できるんですよ。
スープは、魚介ダシと醤油をベースに鶏ガラと豚骨を煮込んでつくります。
これらは、黒岩さんに教えていただいたやりかた。
だから一丁さんと、ほぼ同じつくりかただと思います。
ただ福山駅前にある一丁さんに比べ、当店はお客様の平均年齢は高め。
御年配のお客様も多いです。
そのあたりを考慮して、ややアッサリめの味わいに仕上げています。
この点は一丁さんと違う点ですね。
テイクアウトや通販の拡充をしたい
──今後の展望ややってみたいことがあれば、教えてほしい。
谷森──
テイクアウトや通信販売の需要の高まりを受け、さらなるテイクアウトや通販の改善をしていきます。
もともとテイクアウトも通販も人気があったんです。
しかし、2020年(令和2年)からの新型コロナウイルス感染症の流行によって、さらにテイクアウトや通販が増えました。
店の前を通るかたを見ていると、コンビニや百貨店などで買った弁当を持っているかたが多いんです。
当店は定食もありますし、福山市松永地区で営業していた時代にはいろいろなメニューをしていました。
その経験を生かして、新しくお弁当を始めたいと考えています。
また通販では、専用の作業場を確保して、効率的に事業をおこなえるようにする予定です。
尾道ラーメンたには観光客から地元住民まで尾道ラーメンを楽しめる店
尾道駅・ロータリーに隣接する好立地にある尾道ラーメン たに。
公共交通機関で行くなら、とても寄りやすい場所です。
平日は地元のかた、休日は観光のかたでとてもにぎわっています。
ぜひ、たにでストレートの熱々スープの尾道ラーメンを味わってみてください。