インプレス、「ドローンビジネス調査報告書2021」出荷開始

株式会社インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、国内のドローンビジネス市場の動向を調査し、ドローンビジネスに関する調査結果を発表した。なお、本調査結果をまとめた『ドローンビジネス調査報告書2021』の出荷を2021年3月25日より開始した。

2020年度は前年度比31%増の1841億円、2025年度には6468億円に拡大

国内のドローンビジネス市場規模の予測/出所:インプレス総合研究所作成

2020年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は1841億円と推測され、2019年度の1409億円から432億円増加している(前年度比31%増)。2021年度には前年度比25%増の2305億円に拡大し、2025年度には6468億円(2020年度の3.5倍)に達すると見込まれる。

分野別に見ると、2020年度はサービス市場が前年度比36%増の828億円となり、最も大きい市場となっている。また、機体市場は前年度比27%増の607億円、周辺サービス市場が前年度比24%増の405億円。各市場とも今後も拡大が見込まれており、2025年度においては、サービス市場が4361億円(2020年度の約5.3倍)と最も成長し、機体市場が1310億円(2020年度の約2.2倍)、周辺サービス市場が797億円(2020年度の約2倍)に達する見込みだという。

機体市場は、国内および海外メーカーから、農薬散布、点検、運搬、測量など用途に合わせた産業用機体が販売されており、特に農薬散布機は普及拡大している。2020年度は米国ドローンメーカーの国内参入や国産ドローンメーカーの再編、ソニーなど新たな大手企業の市場参入といった動きも見られ、ドローンの社会実装が進むことを見越した事業者の動きも盛んになっている。なかでも国産ドローンメーカーには、今後の量産体制を見据えて、製造受託を請け負う企業と提携する動きが見られる。

サービス市場は、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、各産業で実証実験や現場実装の動きが停滞したため、昨年度に想定していた成長速度よりも遅れが見られる。2021年度も引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を少なからず受けると予想されるが、2022年度以降は大きく成長するとみられる。

農業、土木・建築、点検、公共といった分野でドローン活用効果が明確化

サービス市場の分野別市場規模/出所:インプレス総合研究所作成

サービス市場について産業分野別に見ると、特に、農業、土木・建築、点検、公共といった分野では、ドローン活用の効果が明確化してきており、現場実装の段階に進みつつある。また、2020年度は特に物流分野の動きが際立っており、2022年度のレベル4(有人地帯の目視外飛行)実現に向けた新しい取り組みが多数見られた。

携帯電話の上空利用の緩和に伴う携帯電話ネットワークを使った長距離フライトや短時間に長距離を移動するVTOL型ドローンによる輸送、オンライン服薬指導と併せた処方薬輸送などの実証実験が数多く実施されている。

橋梁、鉄塔、基地局、発電施設、プラント、工場やビル、船舶といったインフラや設備点検の現場では引き続きドローンの活用が普及していくとみられる。そうした状況をうけて、一部のドローンサービス事業者からソリューションが提供されており、順調にインフラや設備点検分野での利用が拡大していくことが予想される。

特に小型ドローンを活用した点検は、従来の人による点検が困難であった天井や屋根裏空間、細い配管ダクトの中などの点検を可能にし、ドローンが専門的に行う新たな点検分野市場として大きな拡大が期待される。一方で、その他の分野においては、昨年度から引き続き業務フローの再構築や運用ノウハウの蓄積、マニュアル作成、人材の育成などに時間を要している。これらの課題が徐々に解決されることで、市場が拡大していくとみられる。

周辺サービス市場では、ドローンの産業利用が進むにつれて、バッテリー等の消耗品や定期的なメンテナンス、業務環境に即した保険のバリエーションの増加などにより機体市場の拡大に合わせて引き続き成長していくと予想される。また今後、導入されるドローン操縦ライセンスの動きに伴い、スクールの動きが活発になるとみられる。各ユーザー企業における運用管理やソフトウエア開発などのドローンに特化した人材の要求が高まっており人材サービス市場の拡大も予想される。

■調査報告書の製品形態・案内

書名:ドローンビジネス調査報告書2021 著:春原久徳/青山祐介/インプレス総合研究所 発行所:株式会社インプレス 発売日:2021年3月25日(木) 価格:
CD(PDF)版、ダウンロード版 税込132,000円
CD(PDF)+冊子版 税込121,000円 判型:A4判 ページ数:574ページ

▶︎ドローンビジネス調査報告書2021

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