井ノ原快彦と中村梅雀が「特捜9」新シーズンを前に初対談!

テレビ朝日系では4月7日から、井ノ原快彦主演の連続ドラマ「特捜9 season4」(水曜午後9:00)がスタート。その開幕を目前に控えて、警視庁捜査一課特別捜査班(特捜班)主任・浅輪直樹を演じる井ノ原と、班長・国木田誠二を演じる中村梅雀による対談が行われ、本シリーズの見どころや撮影の裏話などが明かされた。

本シリーズは2018年4月にスタートし、難事件に挑む刑事たちの活躍と事件を描くのみならず、その背景にある人生模様など“人間”を真摯(しんし)に描く物語が支持を集めてきた。その魅力として挙げられるのが、“個性強すぎ”な特捜班のキャラクター。リーダーの直樹を中心に、直樹×新藤亮(山田裕貴)、小宮山志保(羽田美智子)×村瀬健吾(津田寛治)、青柳靖(吹越満)×矢沢英明(田口浩正)という三様のコンビが捜査で見つけてきた情報を持ち合い、意見をぶつけ合って事件解決の糸口を探していく。

season3から特捜班に加わった国木田は、前シーズンでは冤罪事件を引き起こした過去を引きずり、直樹たちメンバーと深く関わることを拒んでいたものの、最終回であらためて班長としてメンバーを率いることを決意。新シーズンでは正真正銘、上司として直樹たちと向き合い、これまでとは違う関係性を築いていくことになる。

待望の新シーズンの幕開けについて、井ノ原は「前シーズンは国木田さんが今後、チームに打ち解けるんだろうな…ということを感じさせる終わり方でした。それから数カ月が過ぎて、『season4』は“すでにみんなで飲みに行っているんだろうな”と感じさせる雰囲気でスタートします」と前作からの変化を説明。

中村も「打ち解けてはいるものの、国木田らしくどこかでブレーキを踏み込む要素も必要かなと考えながら撮影に入ったのですが、この現場はとにかく楽しくて…。畳み掛けるようにやりとりが展開していくので思わず笑顔になっちゃって、こんなに国木田が柔らかくていいのかと思うシーンもあります。でも、国木田のポジション的にはそれもOKなので、みんなのやりとりをほほ笑ましく見ながら、押さえるところはちゃんと押さえることを意識しています」と、メンバーの影響で国木田が変わっていくさまを柔軟に演じていることを語った。

国木田が班長として采配をふるい始めた特捜班のもう一つの変化が“掃除”。井ノ原が「今回、面白いのは国木田さんが勝手に掃除当番を決めていること(笑)。『掃除に間に合わせなきゃいけない!』というようなセリフがあって、よくよく考えると特捜班でそんな決まり事なんてないのに、直樹としては何だか学校のようでワクワクしているところもありますね」と話すと、中村も「国木田は『season3』の時から奇麗好きなところがすごかったんですけど、『season4』になって、『これはただ事じゃないぞ』というほどのこだわりを見せています。これからどうなっていくのか、ちょっと楽しみですね(笑)」と国木田というキャラクターに魅力を感じている様子。

中村はそんな国木田がもたらす新味に「その存在自体が作品に面白みを加えられているんじゃないか、という手応えを感じています」と自信をのぞかせ、井ノ原も文句なしに同意。「直樹も国木田さんからいろいろ吸収していますが、僕個人としても梅雀さんとお話ししている中でたくさん気付かされたことがあります。『特捜9』が始まった時、4年くらいはいろいろ試行錯誤すると思っていたのですが、この『season4』でいい形が出来上がる予感がしています!」と、新シーズンに期待を込めた。

さらに、2人が口をそろえて話したのが、“芝居合戦”の面白さ。前シーズンでは特捜班と距離を置く芝居が多かった中村も今回、彼らのやりとりに本格参戦することとなり、中村は「エンディングの場面などは監督さんから『アドリブでお任せします』みたいなことが多くて、『こんな感じで進めていこうか』『この辺でカットがかかるかな』とみんなでディスカッションしてから撮影に入ります。それで、カットがかからないと永遠に演技しているんですよ。お互いが切磋琢磨(せっさたくま)しながら臨んでいるし、誰かが出し抜けにいい芝居をすると、『やられた!』と悔しがる…。15年間やってきたメンバーのチームワークのすごさを感じるし、それが楽しくてしょうがない!」と役者同士のぶつかり合いを日々楽しんでいると告白。

井ノ原も「この現場には、毎回のストーリーをさらに面白くするために何をすればいいのか、みんなと話せる環境があります。事件の場面などはきっちり緊張感を持ってやっています。お芝居も楽しいですが、空き時間もとにかく笑いが絶えません。おじさんたちが“キャッキャキャッキャ”よく笑っていますよ(笑)。まさにチームワークはバッチリです」と和気あいあいとした舞台裏を披露。中村も「自分の出番じゃない時はディスタンスを保ちながらみんなでしゃべっています。グルメのこととかお酒のこととか…。僕とイノッチは音楽の話でずっと盛り上がっているよね!」と応じた。

最後に、井ノ原は「以前、別の作品で“シリーズものはできるだけ役に変化を出さない方がいい”と言われたこともありました。でもこの『特捜9』は全員が“成長”というか“進化”し続けています。僕はその人間らしさがいいなとあらためて思っています。直樹たち、国木田さんそれぞれの関係性が変化するように、事件だけでなく人間ドラマとして感情を丁寧に描いているのが『特捜9』の魅力なんです」と断言。

この井ノ原の発言に、中村も「特捜班にちゃんと“日常”があるんだよね。それがとてもいい。現職の警察の方も、特捜班のシーンを『すごくリアルです』とおっしゃっているんですよ。それでいて特捜班メンバーの環境や関係性はずっと変化していて、『season4』でさらに色濃くいろいろな形になっていきます。そこをぜひ楽しみにしてほしいですね」とアピールした。

また、今シーズンでは、佐野史郎演じる東京地検察次席検事・渡辺理人が特捜班と対立。特捜班VS検察という構図がぼっ発し、第1話から波乱の幕開けとなるが、井ノ原は「このドラマの一番の魅力は1話完結で、いつ見ても面白くて楽しめること。でも今シーズンでは初回から最終回までつながる展開もあります。張り巡らされた伏線がどうなるのか。今回は最初から最後まで通して見ていただけると、さらに楽しめます。『特捜9』シリーズをずっと応援していただいている方にとっては大いに驚きがあると思います」と予告。一体今シーズン、特捜班には何が待ち受けているのか? 井ノ原×中村が“進化”と“衝撃”を約束する新シーズンに期待が高まる。

第1話では、死後10日ほど経過した若い女性の刺殺体が、寂れた雑居ビルの空き店舗で見つかる。早速、直樹ら特捜班が、捜査を開始。遺体の身元は昨年、故郷の大分県から上京した女子大学生・澤村香奈と分かる。青柳と矢沢は、事件直前に彼女がある男と会う約束をしていたことを突き止める。一方、小宮山と村瀬は、被害者の住むアパートでしつこくチャイムを鳴らしていた不審な男がいたことを調べ上げる。また、直樹と新藤は、香奈が大学内に残したわずかな痕跡を根気強く探っていた。その矢先、監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)が重要な情報をもたらす。

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