「南箱道路」、愛称は「はこね金太郎ライン」 4月開通

春に開通する「南箱道路」の乙女峠側出入り口=箱根町仙石原

 神奈川県は29日、南足柄市と箱根町を直接結ぶ県道「南箱道路」を4月28日午前10時から供用開始すると発表した。県が管理する道路では初めて愛称を公募し、1190件の応募から小田原市の鈴木利明さんの「はこね金太郎ライン」に決定した。

 南箱道路は既存の林道を拡幅・補修などで全長10.9キロの県道とし、南足柄市矢倉沢と同町仙石原を結ぶ事業で、完成後は東名高速大井松田インターチェンジ~同町仙石原間が約60~80分から約45分に短縮される。観光客の周遊ルートや生活道路、災害時の代替ルートとして期待されている。

 南箱道路は2013年度に事業着手し、20年3月の開通を目指して整備を進めていた。しかし、19年10月の台風19号で山腹や道路の崩落が発生する被害を受けて延期され、法面のりめんの補強や落石防止ネットの設置工事を行ってきた。

 県道路整備課によると、現在は道路舗装やガードレール設置などの仕上げ工事を実施しており、4月28日までには全ての工事が完了する予定。開通後も土石流を防ぐ砂防堰堤えんていを構築するなどの災害対策を実施していくという。

 同課は「新たな道路ネットワークの完成で、防災力強化や県西地域の活性化を目指したい」としている。

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