【大相撲】昨年度はコロナ禍…過去最大の赤字約50億円 2年後から黒字転換の中期計画

春場所も観客動員を制限して開催された

日本相撲協会は29日、都内で評議員会を開き、過去最大となる約50億円の赤字を計上した2020年の決算を承認した。昨年は新型コロナウイルス禍で本場所が制限され、入場券の売り上げなど経常収益が前年と比べて大幅に減少。また、コロナ対策には約5000万円を投入したことが明らかになった。

この日、電話取材に応じた協会の宮田哲次主事は「本場所の開催が協会の主力であり、それができないとやはり大きな赤字が出てしまうということ」と説明。昨年春場所は無観客開催で3~4億円、同夏場所は中止となり約12億円の損失になったという。それでも、昨年夏ごろには60億円の赤字を試算していたため「約半年で10億円は圧縮できた」とも語った。

また、新型コロナ対策としては検温機の導入やマスク、消毒液に使用。「(金額に)糸目をつけず、とにかく感染対策をやる」と注力した結果、観客からは1人も感染が確認されず「お客様は対策を忠実に守ってくれている。ご理解をいただいてありがたい」と感謝を述べた。

一方、22年までは赤字を想定している。宮田氏は「今年は30~35億円の赤字を見込んでおり、来年ももう少し赤字が出るだろうと。3年で100億円ほどで抑え、あとは黒字転換していくと中期計画を立て、それに基づいて動いているという状況」と話した。

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