長崎県内で黄砂 対馬に「PM2.5」注意喚起

黄砂の影響でかすんだ市街地と長崎港=29日午前9時半、長崎市浜平2丁目から望む

 長崎地方気象台は29日、県内で黄砂を観測したと発表した。30日にかけて飛来すると見込まれる。また対馬地区では微小粒子状物質「PM2.5」の濃度が上昇し、県は注意喚起を発表した。県内での発表は2018年3月以来3年ぶり。
 黄砂は中国大陸の砂漠などから強風で吹き上げられた大量の砂やちりが浮遊、降下する現象。同気象台によると、水平方向で見通しが利く距離「視程」が長崎市で8キロになり、風景がぼんやりとかすんで見える状態だった。洗濯物などへの黄砂の付着や呼吸器への悪影響のほか、視程が5キロを下回ると交通に支障が出る恐れがあるとして注意を呼び掛けている。
 対馬地区のPM2.5は午後4時までの16時間平均値が大気1立方メートル当たり74マイクログラムとなり、国の指針(1日平均70マイクログラム)を上回る可能性があったため注意喚起を発表した。県は屋外での激しい運動を減らし、不要不急の外出を控えるよう促している。

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