【大阪杯】コントレイルが最終追いで仕上がり万全 金羅助手「勝ちたい気持ちが強くなっている」

豪快に坂路を駆け上がったコントレイル

今週末、4月4日に行われるのは、春の古馬中距離王を決める第65回GⅠ大阪杯(阪神芝内2000メートル)。ここで2021年の始動を迎える3冠馬コントレイルが31日朝、栗東トレセン坂路コースで最終追い切りに臨んだ。ここで勝てばデビューから568日でのJRA・GⅠ5勝目達成で、歴代名馬(ナリタブライアン=498日目、ディープインパクト=554日目)に次ぐ3番目でのスピード記録となるが、その仕上がりはいかに?

想定外の位置取りとなったにもかかわらず、力の違いを示した皐月賞。他を寄せつけない強さを見せつけた日本ダービー。苦戦を強いられながらも底力で勝利をもぎ取った菊花賞。シンボリルドルフ、ディープインパクト以来、史上3頭目となる無敗での3冠制覇という歴史的偉業を成し遂げたコントレイル。初めて古馬と対戦したジャパンカップでは一敗地にまみれる形となったが、これは偉大なる先輩たちもたどった足跡。むしろアーモンドアイがターフを去った現在、自身が古馬となった今シーズンの走りで現役最強を証明していくことになるのであろう。

JC後は激戦の疲れを癒やすために大山ヒルズへと放牧へ出され、しっかりと充電が図られたうえで今月6日に栗東トレセンへと帰厩した。

「帰ってきた時の体重は490キロくらいで、1週前追い切りを終えた時点で480キロ。レースへ向けて体が締まってくるごとに体重は減っていくんですが、今回はたぶんプラス体重で出走できそう。もちろん太めということはなく背も少し伸びていますし、去年に比べて古馬らしい体つきになっているというか、二千の距離を走るにはちょうどいいかなという感じです」と金羅助手。

2週前は坂路(4ハロン50・1秒)で併せ馬、1週前はウッド(6ハロン78・6秒)での併せ馬で福永が騎乗し、ともに快時計をマーク。

「予定より時計は速くなったけど、心臓をつくる目的でしっかりと負荷をかけたかったし、二千という、よりスピードを求められる条件を走るうえでいい追い切りができたと思う」と福永も納得の表情を見せていた。

それを受けての坂路単走での最終追い切りはこれまでのルーティン通り。ゆったりと一歩ずつ確かめるような脚どりで坂路を駆け上がり、ラストで少し気合をつけられたのは休み明けと二千の距離を意識してのこと。弾むようなフットワークで見た目以上に速い4ハロン50・6―37・2―24・5―12・3秒。万全の仕上がり状態を表すに十分な時計と言えるだろう。

「放牧に出るたび、牧場でしっかりと調整してくれることには本当に感謝しているんですよ。だから休み明けの方が仕上げやすいですし、それで去年は結果も残せていますからね」と仕上がりの良さに自信満々の金羅助手は続けて、「JCではきついローテーションでも頑張ってくれましたし、アーモンドアイに負けはしたものの、今年はとくにこのレースは勝ちたいという気持ちが強くなっていますね」と意気込みを語ってくれた。3冠達成まで負けられないというプレッシャーから解放され、“勝ちたい”という思いを強くして挑む2021年のコントレイル。新たな伝説がここから始まる――。

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