気迫のこもった走りで数々の名バトルを繰り広げてきた関口雄飛【2021年SFドライバー紹介】

 2021年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月3〜4日に富士スピードウェイで開幕を迎える。第1戦を前に、2021年シーズンを戦うスーパーフォーミュラのドライバーたちのこれまでのレースキャリアやドライバーとしての特徴などを紹介する。今回はスーパーフォーミュラ参戦6年目を迎える関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)だ。

 これまでスーパーGTやスーパーフォーミュラをはじめ、様々なカテゴリーで参戦経験のある関口雄飛。2011年に全日本F3選手権のタイトルを獲得するが、そこからステップアップする機会を得ることができなかった。しかし、ほかのカテゴリーでの活躍も評価され、2016年にTEAM IMPULからデビューを果たすこととなった。

 その初戦から抜群の速さをみせ、第4戦もてぎで初優勝を獲得。第6戦SUGOでは、ポールポジションからトップを快走したが、セーフティカー導入のタイミングでピットに入ることができず、そのまま行けば、後方に沈んでしまう窮地に立たされた。しかし、セーフティカー解除後から1周1秒以上のペースで後続を引き離し、自身のピットストップに必要なロスタイム(約35秒)をコース上で稼いで、トップを死守しトップチェッカーを受けた。このレースは、スーパーフォーミュラ史上に残る1戦として今でも語り継がれている。

 そのほかのシーズンでも、気迫のこもった走りでシーズン1勝は必ず上げ、数々の名バトルも繰り広げた。2018年の第6戦岡山では、雨の中、小林可夢偉(KCMG)と抜きつ抜かれつのバトルを展開し、多くのファンを魅了。最終的に関口が先行し、勝利を収めた。

 2020シーズンも活躍に注目が集まったが、トラブルやアクシデントなど不運が多く未勝利となり、ランキングも14位に。2021年は再びトップに返り咲くべく、開幕前のテストでは積極的に周回を重ねていた。

 一方、スーパーGTのキャリアは長く、2007年にGT300デビューを果たし、GT500には2013年から参戦。現在は名門TOM’Sの一員として、安定した走りを披露している。昨年もシーズン中に4度の表彰台を獲得したが、チャンピオンには一歩届かずランキングは4位。こちらも、今シーズンはタイトル獲得を目指して準備を進めている。

 また、普段からテレビのインタビューを受ける際にはスポンサーロゴを強調するなど、周囲への配慮を忘れない関口。ヘルメットには『人と違う道を行け』という言葉が刻まれている。

■スーパーフォーミュラ:2020年シーズン戦績

出場:7回
優勝:0回
2位:0回
3位:1回
ポールポジション:0回
エンジン:トヨタ
獲得ポイント:17
獲得有効ポイント:17
ランキング:14位

関口雄飛(TEAM IMPUL)
関口雄飛(TEAM IMPUL)
関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)

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