F1を経て国内で2度のタイトルを獲得。今季は現役最年長選手の中嶋一貴【2021年SFドライバー紹介】

 2021年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月3〜4日に富士スピードウェイで開幕を迎える。第1戦を前に、2021年シーズンを戦うスーパーフォーミュラのドライバーたちのこれまでのレースキャリアやドライバーとしての特徴などを紹介する。今回はこれまで国内トップフォーミュラで2度のタイトルを獲得したほか、ル・マン24時間レースを3連覇している中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)だ。 

 日本人初のフルタイムF1ドライバーとして知られる中嶋悟の息子であり、ル・マン24時間レースで3連覇を果たすなど、世界的に活躍しているドライバーのひとりである中嶋一貴。

 ホンダのバックアップを受けていた父とは異なり、トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム(TDP)のメンバーとなり、トヨタのサポートを受けてF1へステップアップ。2008年と2009年の2シーズンに渡ってウィリアムズからフル参戦し5回の入賞も果たした。しかし、2年目の2009年は上位に食い込むことができず、シートを失うこととなった。

 2012年からWEC世界耐久選手権に参戦するトヨタのメンバーに選ばれ、世界の舞台で活躍を続けている。同シリーズの1戦にもなっているル・マン24時間レースでは2014年に日本人初のポールポジションを獲得するなど、毎年活躍を見せたが、優勝には手が届かず。2016年には残り10分を切るところまでトップを快走したが、まさかのトラブル発生で悲願達成を果たせないなど、数々の悔し涙をのんできた。しかし、2018年に初の総合優勝を獲得すると、それ以降も勝利を重ねて、現在はル・マン24時間レースで3連覇中だ。

 並行して2011年からは日本のレースにも本格復帰し、フォーミュラ・ニッポン/スーパーフォーミュラでは2012年と2014年にシリーズチャンピオンを獲得。現在もKuo VANTELIN TEAM TOM’Sからレギュラー参戦を続けている。

 スーパーGTは2005年にGT300クラスに参戦し1勝をあげているほか、GT500クラスでも合計7シーズンに参戦。7勝を挙げて、2013年にはランキング3位を獲得している。ただ、WECとの日程重複の兼ね合いで欠場するレースもあり、2020年からはWECに専念するために、再びGT500からは離れている状況となっている。

 今シーズンもスーパーフォーミュラとWECに参戦するため、日本とヨーロッパを行き来する多忙な日々が続くことになるが、今でも維持されている速さと安定感あるレース運びから目が離せない。

■スーパーフォーミュラ:2020年シーズン戦績

出場:5回
優勝:0回
2位:1回
3位:0回
ポールポジション:0回
エンジン:トヨタ
獲得ポイント:25
獲得有効ポイント:25
ランキング:11位

2021年スーパーフォーミュラ富士公式テスト 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2021年スーパーフォーミュラ富士公式テスト 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2021年スーパーフォーミュラ富士公式テスト 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)

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