【高校発みやざきSDGs】ー10ー延岡(上) おいしい飲み水研究

自分たちで考案した方法で精製した「おいしい飲み水」についてメンターから助言を受ける生徒

 水郷延岡に位置する本校は2020年度から5年間、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の研究指定を受けた。研究課題は「『工都のべおか』でSTI(科学技術革新)for SDGs 人材を育成するカリキュラムの開発」である。

 1年生が履修するSSH特例科目「SDGsフィールドワーク」において、普通科では祖母・傾・大崩ユネスコエコパークの移行地域にある北川湿原を訪れ、県北植物愛好会の成迫平五郎会長(78)による指導の下、希少植物を観察した。同時に川坂川を守る会の安藤俊則事務局長(61)から活動報告を聴き、理解を深めた。

 また、メディカル・サイエンス科の同科目では、地域の企業から研究者や技術者をメンター(助言者)として招き、生徒に研究課題を与え、定期的にアドバイスを受けている。そのうち、旭化成メディカルMTの戸村萌夏さん(30)がメンターを務めるグループでは、「延岡の川水を使っておいしい飲み水を作る」という課題に取り組んでいる。生徒は休日や放課後を利用して川の水を採取し、ろ過・煮沸・蒸留などの分離操作を行い、おいしい水の作り方を研究している。

 旧制延岡中学1回生である若山牧水は、17歳の頃から雅号に水の一字を入れるほど、心から水を愛した歌人といわれる。水はSDGs17の目標の中でも全体を支える環境基盤といわれる。本校は「工都のべおか」で水を通したSDGs実現に取り組んでいく。(教諭・郡司泰祥)
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