【1日】長崎大・泉川教授「第4波の兆し」 変異株拡大なら病床逼迫も

新型コロナウイルス感染症の入院状況

 長崎県内で新型コロナウイルスの変異株が初確認されたことを受け、長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は1日、長崎市内で会見し、新規感染者が連日確認されている状況を踏まえ、「第4波の兆しと捉えている」との認識を示した。感染力が強いとされる英国由来の変異株については「感染防止対策を大きく変える必要はない」とする一方、広がれば第3波以上に「病床の逼迫(ひっぱく)が懸念される」と警戒した。
 県内では3月24日以降、連日1~5人の新規感染者を確認。31日には過去の感染者が変異株に感染していたことが判明した。泉川教授は第3波が始まった昨年12月ごろと「似ている」と表現。「(第3波を乗り切った)安堵(あんど)感が広がっていると思うが、もう一度ブレーキを踏んでほしい」と感染防止対策の徹底を呼び掛けた。
 英国由来の変異株については「対策ができていれば恐れなくてもいい」としながらも、感染力の強さから「(何もしなければ)1人から感染する数は増える」と述べた。転居などで人の移動が増える年度末、年度初めの時期でもあり、「4月中旬ごろを注視したい。早い段階で増え始めることを心配している」と話した。
 変異株への感染が確認された場合、軽症者でも原則入院することになり、泉川教授は「病床が逼迫する。PCR検査で陰性が確認されないと退院できないことにもなっており、入院期間が長くなる」と述べた。

 一方、長崎市は4月1日、市内の40代~70代の男女4人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。県内の感染者は計1638人となった。
 40代男性会社員は感染経路不明。喉の痛みがあるという。市は濃厚接触者を含めた5人を検査する。その他の3人は、市内陽性者の接触者と濃厚接触者。


© 株式会社長崎新聞社