マエケン メジャー初開幕投手は無念の降板 5回途中6安打2失点

メジャー初の開幕投手で白星が付かなった前田(ロイター=USA TODAY)

メジャーの2021年シーズンが1日(日本時間2日)に開幕した。渡米後初の開幕投手を任されたツインズの前田健太投手(32)は敵地ブルワーズ戦で5回途中、6安打2失点(自責1)で降板した。

無念の降板だ。メジャー初の開幕白星は目の前だった。5回一死一塁で5番ショーに1ボールから狙い通りに外角のチェンジアップを引っ掛けさせて併殺コースの一ゴロを打たせた。しかし、二塁ベースに入った名手シモンズが慌てたのか落球して、一死一、二塁。自らピンチを断ちたかったが、球数はすでに88球。マウンドを訪れたバルデリ監督に交代を告げられた。無念の前田は硬い表情でベンチに戻った。

自信を持って上がったマウンドだった。オープン戦では5試合、計18回1/3でわずか1失点と無敵状態。ブルワーズ戦は昨季2度先発して1勝無敗で防御率1・84。2戦目の8月18日は8回終了までノーヒッターと相性は良かった。渡米後、初の大役に緊張はあっただろうが、それを力に変えるすべは知っている。それだけに不完全燃焼だ。

初回は12球で三者凡退。2回は連打で無死一、二塁のピンチを招くが、後続をいずれもスライダーで飛球を打たせ、無失点で切り抜けた。

しかし、2点を先制してもらった直後、3回二死一塁で打席にイエリチを迎えたところで流れが変わった。カウント2―2から2球ファウルで粘られた7球目、ストレートが明らかなコントロールミスで背中を直撃。19年7月23日のエンゼルス戦以来の死球を与えた。

続く4番ガルシアはボテボテのゴロを打たせるも三塁内野安打で満塁。5番左打者のショーには全8球がスライダーという配球でフルカウントからファウルで粘られ、押し出しの四球で1失点。6番ケーンにも決め球のスライダーをファウルされるなど苦しんだが、最後は何とか三ゴロに仕留めた。実に36球を要した。

白星を逃した要因は制球。フォーシームはほとんどストライクゾーンに入らなかった。スプリットチェンジ、スライダーも3回以降はキレを欠き、追い込んでから空振りを奪うことができなかった。

チームは9回に3点差を追いつかれ、10回に決勝点を許してサヨナラ負け。前田はダブルショックだろう。次の登板で取り返すしかない。

前田の話「いい投球ができなかったのは悔しい。左打者への内角スライダーが外に流れてしまった。イエリチ選手に当てた死球はあり得ないところに投げてしまったので、そこで気持ち悪さが残って、その気持ち悪さをずるずると引きずってしまった。なかなか修正しきれなかったが、次の登板までには戻ると思う」

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