ル・マン・ハイパーカーとのギャップ拡大のため、LMP2に追加のスピード抑制/WEC

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 4月1日にACOフランス西部自動車クラブとFIAエンデュランス・コミッティによって確認された一連の技術的変更により、WEC世界耐久選手権とELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズにおけるLMP2カーは、2021年に予定されていたスピード抑制の落ち幅がさらに大きくなった。

 来月1日にベルギー、スパ・フランコルシャンで開幕を迎えるWECの2021年シーズンから適用されるこの決定は、一連のプライベートテストを経て、LMP2カーと今季導入されるLMHル・マン・ハイパーカーとの「パフォーマンス・ウインドウを確保する」ことを目的としたもの。

 シグナテック・アルピーヌのフィリップ・シノー代表を含む多くのチーム関係者たちはシーズン前のテストで、LMHのラップタイムに近づいていたLMP2クラスのマシンに計画された2021年の構成について懸念を示していた。

 そんななかで決定した今回の調整では、今季すでに実施されることが発表されていたギブソン製エンジンの420kW(約560PS)へのパワーダウンから、さらに20kW(約27PS)の出力抑制が行われる。

 また、すべてのLMP2カーの最低重量が従来よりも20kg重い950kgとなるとともに、ダウンフォースを削減する目的で、全チームに(ローダウンフォース仕様の)ル・マン用エアロキットをすべてのラウンドで使用することが義務付けられた。

 その一方、ACOはパフォーマンスを低下させることを目的としたグッドイヤーの新世代タイヤを採用する計画を中止。昨シーズン使用されたタイヤコンパウンドに戻されることとなった。

 この決定にはあらゆるコンディションでの“実績のある一貫した性能”と、複数のタイヤブランドが混在していた時代に開発された旧世代のグッドイヤー・コンパウンドの“ドライバビリティ”が考慮されている。

 なお、今回決まったパワー抑制、および重量追加の調整はAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズの次のシーズンにも適用されることになるが、すでに2戦が終了しているIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権については今季中の影響はないものと考えられている。

直線スピードを伸ばすため、ダンフォースが削らたル・マン用エアロキットが装着されたオレカ07
LMP2クラスで単独供給されているグッドイヤー・イーグル