深夜の送別会問題、今に始まった話ではない厚労官僚の「浮世離れ」

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 厚生労働省の職員23人が東京・銀座の飲食店で深夜まで送別会を開いていた。新型コロナウイルス感染拡大を受け、営業時間の短縮要請をしている中での宴会は「浮世離れしている」と批判を浴びている。ただ、厚労官僚の浮世離れは、今に始まった話ではない。

 大手紙にいた10年以上前、東京・霞が関の厚労省内にある記者クラブに詰めていた。医療や年金、労働、貧困とあらゆる社会の難題が集中。職員は口々に「国会対応が手間だ」とぼやいていた。真夜中でも議員へ説明するための資料を持ち出し、政策を解説してくれた。言うなればコンビニのような役所。異様な時間軸で職員は動いていた。

 庁舎は決まった時間に一斉消灯するが、職員が瞬時に再点灯。日付が変わっても煌煌(こうこう)と明かりが漏れていた。終電を逃し、庁舎横に並ぶ個人タクシーで帰宅。職員がなじみの乗務員からビールや金券を受け取る「居酒屋タクシー」が問題になった。

 年月はたったが、先日明らかになった政府答弁書によると、昨年12月から今年2月にかけ、残業が月80時間を超えた職員数は厚労省は延べ1092人に達し、財務省の799人に大差をつけてワーストワンになった。

 異様な時間軸で働く職員は一般の常識から徐々に乖離(かいり)し、コロナ禍の宴会に行き着いたのではないか。中央省庁の非常識を正さなければ、社会の働き方改革なんて、とてもできるはずがない。