DeNA開幕7戦0勝…不名誉記録の番長・三浦新監督が犯した「人選ミス」

長いトンネルを抜け出せないDeNA・三浦監督

【赤坂英一 赤ペン!!特別編】DeNA・三浦新監督が球史に不名誉な記録を刻んだ。2日の広島戦(横浜)に敗れ、新人監督の開幕7試合で勝ち星無しは史上初。2引き分けを挟んでの開幕5連敗は、球団の新人監督としても、1993年の近藤昭仁に並ぶワーストタイ記録だ。

この日は先発・浜口が6回2失点と試合を作るも、打線が広島・大瀬良に7回まで無得点。8回にリリーフ陣がダメ押しされるいつものパターンで万事休す、である。

三浦監督は連敗の要因を問われ、こう言った。

「いろいろとあると思いますが、すべてですね。結果は受け止めるしかないです。これで終わりではないので、明日結果を出せるようやっていきます。明日は勝てるようにやっていくだけです」

そんな三浦監督に周囲は一様に同情的だ。今永が肩、東がヒジを昨年手術して先発2本柱が不在。加えて、コロナ禍と入国手続き上の問題により、外国人の合流が大幅に遅れていることも響いた。

意外にも大きかったのが、いまだに来日未定の中継ぎ左腕エスコバーの穴だ。三浦監督は代わりに石田を持ってきたが、4試合連続でリリーフに失敗し、防御率24・00。「これは三浦監督の人選ミスと言われても仕方がない」と、チーム事情に詳しい球団OBが言う。

「石田は確かに球に力はあるが、球種が少ない。とくに、左打者に有効なチェンジアップがないので、右打者と同じくらいよく打たれる。こういうタイプに短いイニングを任せるのは難しい。先発なら5回で2~3失点という計算は立つんだが」

実際、3月30日、4月1日のヤクルト戦では走者を残して降板。交代した山崎、平田が痛打され、リリーフ陣全体にまでしわ寄せが及んだ。

そこで三浦監督は2日の試合前、石田の配置転換を決め、急きょ三上を一軍昇格させている。

「石田は起用法を変えます。状態がよくなってもらわないと困るから、登録抹消はしない。三上は経験があるので、ブルペンを盛り上げてくれたらな、と思います」

今後に向けて、明るい材料もないわけではない。今月半ばには隔離期間中のソト、オースティンらが合流の予定。さらに、今永が早ければ来月半ばに一軍復帰できるかもしれないと、前出のOBがこう指摘する。

「今永は、3月31日の巨人二軍戦に登板して2回32球で2安打無失点。真っすぐの最速は146キロ。映像を見た限りではいい時のフォームに戻っていたし、球にも力があった。今後は様子を見ながらイニング数を延ばしていくだろう。順調にいけば、5月半ばには一軍に呼べるはず」

早く1勝を挙げ、番長らしいガッツポーズを見せてほしいものだ。

☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」「プロ野球第二の人生」(講談社)などノンフィクション作品電子書籍版が好評発売中。「失われた甲子園 記憶をなくしたエースと1989年の球児たち」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。ほかに「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。日本文藝家協会会員。

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