広島・大瀬良大地投手(29)が2日のDeNA戦(横浜)で復活勝利を挙げた。二塁すら踏ませぬ圧巻の投球で7回を無失点に抑え、昨年8月22日の巨人戦(マツダ)以来となる223日ぶりの勝利。エースは「いろんな方の支えのおかげで元気にマウンドに上がれている。この1勝は支えてくれた皆さんに捧げたい」と感謝を口にした。
チームを勝たせるために信念を変えた。これまでは1試合を投げ抜き、勝ち負けを背負うことこそがエースの仕事だとの思いでマウンドに立ってきた。そして現在も「完投を目指していくことは変わっていない」という。完投が多い巨人・菅野や中日・大野雄らへのライバル心もある。
しかし、昨年の右ヒジの故障離脱が契機となった。「今までは全部の試合で完投するつもりだった。たとえ10―0で勝っていても…。でも、自分だけの力だけではチームは勝っていけない」。無理をして完投をすれば体への負担は大きく次の登板へ影響する。それが重なれば不調や故障につながる。大黒柱の自分が離脱すればチームがどうなるかは昨年痛いくらいに味わった。そして「一年間投げ抜くには、託すというか、リリーバーの力を借りながら1試合をやることが大事かなと」と仲間に頼ることも大事だという考えに至ったのだった。
佐々岡監督の配慮もあってこの日は7回76球で降板。マウンドではなくベンチで勝利の瞬間を迎えた。完投へのこだわりを捨てたのも「僕が先発の試合を何とか勝ちゲームにできるように」との思いから。手術を乗り越えた大瀬良が新境地でチームをけん引してい