沖縄ホテルが休業 国賓も泊まった老舗 再開時期は「感染症次第」

 那覇市の老舗宿泊施設「沖縄ホテル」(宮里公宜代表取締役兼支配人)が2日から、長期間の休業に入った。新型コロナウイルス感染症の影響による観光客数の減少が響き、稼働率が低迷していた。同ホテルの宮里一郎会長は「先行きの見通しが見えない。休業によって止血し、借金を抑えたい」と述べた。営業再開は今夏の終わりか、秋ごろを見込んでいるが「感染症の状況次第だ」(宮里会長)としている。

 沖縄ホテルは、1941年に沖縄で初めての観光ホテルとして那覇市の波之上地区で開業。皇室や国賓など沖縄を訪れるVIPの宿泊施設として利用された。沖縄戦で焼失したが、51年に現在の那覇市大道に再建した。

 昨年も感染症の流行に伴い、約1カ月間の休業を余儀なくされたが、戦中戦後を除いて、長期間の休業は今回が初めてとなる。

 休業に当たって、従業員35人の雇用は継続し、観光関連産業や他の業態などに出向するめどがついた。

 利用客のうちスポーツ合宿や修学旅行が6~7割を占めていたが、新型コロナの感染拡大の波が繰り返し、予約日の直前でのキャンセルも相次いでいたという。宮里会長は「那覇市内のホテルに客が戻るのは、(沖縄観光の中で)最後の方になるだろう」と厳しい見通しを語った。▼「体力持つか…」老舗・沖縄ホテルを襲うコロナの逆風
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